東北大震災の津波により、福島第一原発事故が起き、今なお漏れ出す高濃度の放射性物質が社会問題となっています。もちろん中電の上関原発新設工事も中断しました。東海地震が起きる可能性が高いという理由で、中部電力の浜岡原発も全面ストップされています。原子力の事故が、これほど危険であることを日本国民は実感しています。 海外のニュースでは、ドイツが脱原発を宣言したとか、イタリアも同じ決定をしたとか流れていますが、日本も原発が危険だから即中止というのには疑問があります。 長期的には、原子力発電がゴールではないにしても、現在稼動中の原発の安全性をもっと高めることは必要ですが、即中止では日本経済がどうなるのか心配です。電力の消費量と経済は比例しています。 ドイツが原発を廃止してもドイツは隣のフランスから電力を買うことができます。今も多くの電力はフランスから輸入しています。イタリアも同じです。フランスは今後ドイツとの国境付近に原発を建設するだろうと言われています。そのフランスの原発は日本より小型で、日本のように大型原発を動かせる科学技術の先進国家が原子力発電を止めることは世界の原発技術の安全な進化を諦めるのと同じで、地球規模で考えると地震災害と事故を経験した日本が原発技術開発を止めることは世界にとって危険になることを意味します。 日本は島国ですから、電力を買える隣の国はありません。日本が原発を止めても、電力が不足するだけで、周辺の中国や韓国の原発は稼働中ですから日本が安全になるわけではありません。 長期的には、原子力から風力や太陽光にエネルギーの転換を目指すべきというのは間違ってはいないでしょう。しかし、今すぐ原子力発電所を止めて、他のエネルギーに切り替えると決めても、現状では電力コストが原子力の数倍になるはずで、電力料金の大幅な値上げも仕方がないと国民も納得しているでしょうか。 それとも電力消費量を数割下げる努力も可能で、それが産業経済縮小を意味することにも納得し、商売をしている人は売り上げが数割減ることも、それに連動するサラリーマンの収入が大きく減ることも国民は納得しているでしょうか。電力不足の日本から、海外に逃げる企業が続出するでしょう。今後ますます失業者が増加します。 千年に一度の想定外の津波が来たから事故になったという言い訳は、科学者や政治家には不要です。どんな津波が来ても安全でなくてはなりません。冷却装置の電源やポンプは、無駄と思われても数台の予備と安全率がなくてはいけません。原発事故があったから即止めるのではなく、津波などの災害に対しても強い原発に至急対策を講じて、まずは現状を安全化することが急がれるのではないでしょうか。 |
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