議会発言2013/03

議会発言

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2013/03/12

◆２０番（猶克実君）　清志会の猶克実でございます。清志会を代表いたしまして、平成２５年度施政方針や第四次宇部市総合計画前期実行計画などについて質問をいたします。
　昨年末、安倍政権に戻り、行き過ぎた円高の是正と日経平均株価の上昇に象徴されるように、アベノミクスと言われる影響で、日本経済も下げどまりから復活の兆しも見えております。
　一方、地方を見ますと、景気回復を感じるには国全体とは時間差があり、税収増を伴う景気回復にはかなりの時間がかかると思われます。市民が元気になるのは、まだ先のようです。また、円安の影響は、輸入価格の上昇による公共料金の値上げやその他の物価の上昇と、賃金などの収入増と内需拡大が伴うかどうかが心配され、順調で安定的な景気回復であるかどうか、まだ予断を許しません。
　宇部市におきましては、日本政府の政策と日本全体の経済動向に鑑み、時間差による影響も踏まえながら将来の見通しを読み、さまざまな施策を実行していかなくてはなりません。
　そういう日本経済の中で、宇部市は人口減少化社会へと突入し、急激な少子高齢化の影響と景気回復の過渡期の中で、ふえた生活保護被保護者や未就業者の増加で、これからも社会福祉関係費はふえる傾向にあります。
　しかしながら、恒久的かどうか不確定とはいえ、日本経済に明るい見通しが見えてきたことも事実でございます。市長におかれましては、市民に、苦労の先の明るい未来を語っていただきたいと思います。
　このような状況の中、本市の平成２５年度予算は、従来の厳しい財源の中で、少子高齢化対策などの福祉関係予算や抑制困難な経費の予算を確保し、また、持続可能な財政基盤を確立するための構造改革とともに、歳入に見合った歳出となるような予算編成、特に、環境と子育てを重視した新しい宇部市創造に対しての御努力を評価いたしたいと思います。
　それでは、通告に従いまして、順次、お尋ねいたします。
　質問の第１に、宇部市の目指す未来像について質問をいたします。
　（１）過去３年間の実績の評価と今後の課題。
　平成２５年度予算と施政方針は、久保田市長が就任後４回目を迎える年度です。就任時の宇部市の状況から、どのようによくなったと思われますか。また、今後、どんな課題が残っていると思われますか。これまでの多くの実績がございましたが、その実績評価と今後の課題をお聞きしたいと思います。
　また、（２）として、財政状況の改善についての評価と今後の課題についてもお尋ねいたします。財政健全化の目標はありますか。
　次に、（３）として、第四次宇部市総合計画にある「元気」にするための基本方針についてお尋ねします。
　第四次宇部市総合計画基本構想には、今後のまちづくりに向けたコンセプトとして、「ひとが元気」「地域が元気」「まちが元気」とあります。久保田市長のマニフェスト実施プランに基づいたものと思います。
　平成２２年３月の代表質問のときに、宇部市の目指す未来像とそのための重点施策についてお尋ねしたところ、市長より「総合計画基本構想に掲げた求める都市像であります「みんなで築く　活力と交流による元気都市」の実現に向けて、特に経済分野での活力の創出と交流人口の増加により、元気な宇部市になるように全力で取り組んでまいりたい」との御答弁がありました。
　その基本方針は、当然これまで施策に大きく反映されてきたものと思いますが、ここで再度、これから実施する元気にするための基本方針を確認いたします。
　次に、（４）として、市職員のやる気についての評価と課題についてお尋ねします。
　市役所幹部職員は、上から指示されたことしかしない、みずから余計な反論や提案をしない、すなわち、前例がないことはできる限りしないというのが、責任を問われないための基本になっているのではないかと危惧いたします。市長が職務を遂行するに当たって、やる気のある職員の協力が不可欠であると思います。それが市民にとっても有益であります。
　市長から見て、職員のやる気について、就任後どのように感じて評価されておられますでしょうか。課題はありますでしょうか。
　次に、（５）環境施策への取り組みについてお尋ねします。
　宇部市は、緑と花と彫刻のまちとして、市民とともにまちづくりをしてきた歴史があります。久保田市政になってからも、環境施策では再生可能エネルギーへの取り組みなどが顕著で、加速したと実感しております。
　そこで原点に戻り、宇部市がグローバル５００賞を受賞した都市として、バランスのとれた環境施策の継続が大事だと思います。その取り組みについてお尋ねします。
　次に、質問の２番目として、施政方針についてお尋ねします。
　（１）福祉関係費の大幅な増加の原因。
　（２）市債発行での合併特例基金創設の目的。
　（３）産業力向上対策。
　（４）中心市街地のにぎわい創出。
　（５）耕作放棄地対策。
　（６）地産地消外商の取り組み。
　（７）常盤公園の施策。
　（８）土地開発公社の解散。
　（９）公共施設白書と市役所建てかえ。
　（１０）小中学校の適正配置の取り組みと耐震化計画。
　質問の３番目として、第四次宇部市総合計画前期実行計画にある、都市環境の質的整備についてお尋ねします。
　宇部市都市計画マスタープランには将来の都市像として、都市の構造特性と整備の方向性が示されております。その中の交通体系では、将来のところで、１つ、広域圏の中心都市としての吸引力を高めるため、山陽自動車道宇部山口間、山口宇部小野田連絡道路などの広域交通網の整備を促進します。１つ、広域交通網の交流拠点である宇部インターチェンジへのアクセス道路の整備を促進します。１つ、渋滞の解消とともに地域間連携を強化するため、市域の東西、南北を結ぶ道路の強化を促進します。１つ、国内外の交流結節点として、山口宇部空港、宇部港の機能充実、利便性の向上を促進します。１つ、利便性の向上により、公共交通機関の利用を促進しますとあります。
　宇部市総合計画マスタープランの目標年次は、おおむね平成３２年となっています。第四次宇部市総合計画基本構想には、生活環境については、「車に頼らず移動できる街なか空間を創ります。」、「都市環境整備について、面的・量的整備から安全性や利便性を高める質的整備に転換し、適切な維持管理及び更新を進めます。」となっております。
　宇部市総合計画マスタープランにある交通体系の整備は完成したわけではありませんが、第四次総合計画前期実行計画では、大きく削られております。第四次総合計画前期実行計画では、道路などの整備は「都市環境の質的整備について」の中で書かれておりますので、この質問の項目にいたしております。
　そこで、国では、平成２４年度大型補正予算と新年度予算を合わせ、切れ目のない経済政策を実施することとしていますが、本市における道路整備などの新規事業も含めた、今後の都市環境の質的整備の取り組みについてお伺いいたします。
　最後に、教育委員会のあり方についてお尋ねします。
　教育委員会は、教育行政の安定性、中立性を確保するため、地方自治体の長から独立した教育行政の重要な委員会であります。中立性については、昨年３月の議会で私が質問をしております。
　近年の校内暴力、陰湿ないじめ、いわゆる問題教師など、一連の教育荒廃への各教育委員会の対応を見ると、各地域の教育行政に責任を持つ「合議制の執行機関」としての自覚と責任感、使命感、教育の地方分権の精神についての理解、主体性に欠け、２１世紀への展望と改革への意欲が不足していると言わざるを得ないような状態の教育委員会が少なくないと言われております。
　教育委員のメンバーは議会で承認された方々ですが、その教育委員の方々が真に教育行政に対し主体性を持って指導力を発揮しておられますか。教育委員会事務局が示す教育行政の評議員会や審議会のようになって、教育委員の会議が形骸化していないか、お尋ねいたします。
　以上で、壇上での質問を終わります。

◎市長（久保田后子君）　清志会代表としての猶議員の御質問にお答えをいたします。
　ただいま猶議員から平成２５年度施政方針、予算編成に対しまして評価と激励をいただき、心から感謝申し上げます。今後も引き続き、市政運営に対しまして御支援と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
　それでは、御質問の１、宇部市の目指す将来像について。
　第１点、過去３年間の実績評価と今後の課題についてのお尋ねですが、私は市長就任以来、スピード感を持って積極的に行財政改革を進めるとともに、宇部市を元気にするさまざまな施策を展開し、地域活性化と市民福祉向上を目指してきました。
　この間、地方分権の本格化や社会経済情勢の変動など、本市を取り巻く環境は大きく変化し、厳しさを増してきています。
　過去３年間の実績評価については、第四次宇部市総合計画前期実行計画上での目標としての指標は全部で１３４ありますが、このうち１６の指標については現在調査中の市民意識調査など、調査結果を待たないと判断ができないものもあるため、これらを除いた１１８の指標で見ますと、まず、平成２４年度末までに目標を達成する指標が既に４２あります。また、それらを含め、目標値に対する達成度７５％以上となる指標が１００あり、おおむね順調に進捗していると考えています。
　中でも、企業立地件数については、目標８社に対して１２社の実績となっています。しかしながら、本市においては、人口の減少、少子・高齢化の進行、景気低迷の長期化が続く中、ルネサスセミコンダクタ九州・山口株式会社山口工場等の合理化計画が発表されるなど、雇用情勢においても大変厳しい局面に立たされています。
　こうした状況のもと、このたび策定した宇部市産業力強化・雇用対策アクションプランに基づき、本市の特性と地域資源を生かした分野での取り組みや、本市の抱える課題解決に向けた取り組みを進め、産業の裾野を広げ、産業力の強化を図り、雇用の創出に積極的に取り組みます。
　あわせて、宇部市再生可能エネルギー導入指針を基本に、常盤公園のエコパーク化の推進を初めとした再生可能エネルギーの導入など、低炭素社会実現に向けたまちづくりに着手いたします。
　さらに、小中学校を含めた公共施設の耐震化などの整備、文化振興財団の設立など、将来への投資を行い、各取り組みの相乗効果によって、宇部市の抱える諸課題の解決に努めていきます。
　第２点、財政状況の改善についての評価と今後の課題についてですが、平成２２年１２月に策定した財政健全化計画における財政基盤の強化を図るための視点は、１つ目として、経済状況や突発的に発生する災害等への補てん財源となる財政調整基金の留保に努めること。２つ目として、将来負担の軽減として地方債の発行抑制に努め、地方債残高を縮減すること。３つ目として、行財政改革の着実な推進等によって経常収支比率を改善し、財政の硬直化を抑制することとしています。
　これまでの状況としては、財政調整基金について、平成２１年度末に約８億８,３００万円まで減少していた基金残高が、平成２４年度末では約２５億３,５００万円まで増加する見込みとなっています。
　次に、地方債残高については、一般会計ベースで、平成２１年度末に約７４２億７,４００万円となっていましたが、平成２４年度末で約６９８億円に減少する見込みとなっています。
　次に、経常収支比率については、平成２１年度決算で９８.２％まで上昇していましたが、平成２４年度は、平成２２、２３年度に続き９４％台まで改善する見込みとなっています。
　なお、平成２５年度においては、当初予算ベースではありますが、財政調整基金残高は約１９億８,６００万円、地方債残高は約６７８億４,０００万円、経常収支比率は９５.８％と見込んでおり、予算執行の過程においても経費節減を図り、健全化に努めてまいります。
　これらの数値からは一定の改善が図られているとは言えますが、県内他市等と比較いたしますと、依然、本市の財政状況は健全化の途上にあると考えています。
　また、今後の課題としては、歳出面では超高齢社会移行に伴う福祉関係経費の増加に加えて、土地開発公社解散に伴う公債費の増加、さらには、市役所本庁舎を初め老朽化した公共施設の更新などが見込まれており、その一方、歳入面では、市税が減少傾向にある中、平成２７年度以降、合併特例措置が段階的に終了することから、市の財政運営はより厳しさを増してくることが予測されます。
　このため、行財政のスリム化・効率化をこれまで以上に積極的に推進し、経費の削減を図るとともに、中長期的な視野に立ち、市債残高の抑制など将来負担の軽減に努めながら、その一方で、地域経済の活性化、地域活力の創出につながる効果的な施策を積極的に進め、自主財源の確保を図っていくことが、持続可能な財政基盤を構築するためには不可欠であると考えています。
　また、財政健全化の目標については、財政状況をあらわす指標はさまざまなものがあり、今後、次期財政健全化計画を策定するに当たって検討したいと考えています。
　第３点、第四次宇部市総合計画にある「元気」にするための基本方針についてですが、第四次宇部市総合計画は、関係団体、学識経験者及び公募市民により構成する審議会が前市長時代に設置され、平成２０年から平成２１年まで２年にわたり議論を重ね、「みんなで築く　活力と交流による元気都市」を目指すべき都市像と定め、平成３３年度までのまちづくりの目標として策定し、平成２１年１２月議会で可決されたものです。
　基本構想においては、今後のまちづくりに向けて「元気」を合言葉とし、元気都市を実現するためのキーワードとして、環境、安心、健康、市民力及び地域ブランドの５つを掲げています。
　これらのキーワードに基づいた具体的な施策を、選択と集中の観点で前期実行計画にまとめるとともに、それら各施策を相互に連携させ、効率的・相乗的に展開をすることにより、まちの総合力を高め、人が、地域が、そして、まち全体が元気になることを目指して、市政運営に取り組んできました。
　住みよく安心して暮らせる生活環境づくりや健康づくりを進めるとともに、市民力を高めることにより、人が元気に、地域の環境力を高め、低炭素社会の形成に努めるとともに、市民と協働のまちづくりを進めることによって、地域が元気に、そして産学官民の協働によって、炭鉱のまちから緑と花と彫刻のまちに発展してきた本市の歴史と本市の持つ多彩な地域資源を活用した地域ブランドを確立し、交流人口の増加や企業立地の促進等につなげることによって、まちが元気になるまちづくりを進め、今後とも元気都市宇部市の実現を目指していきます。
　第４点、市職員のやる気についての評価と課題についてですが、市政を取り巻く社会経済状況が大きく変化をする中、第四次宇部市総合計画に掲げた求める都市像である「みんなで築く　活力と交流による元気都市」を実現するためには、市役所全体が躍動感あふれる組織になること、職員自身が常に市民福祉の向上や市政発展のために全力で働くという公務員の原点を忘れることなく成長しようとする意欲を持ち、仕事をすることが重要であると認識しています。
　その中で、幹部職員については、私や副市長とともに、行政運営におけるマネジャーとして重要な役割を担っているものと考えています。
　政策決定においては、部方針の作成や進行管理などの場面で十分なディスカッションを行い、意思疎通を図るとともに、毎週開催する幹部職員連絡会議においては、組織目標の達成に向けた情報共有と部局間連携を強く意識しているところです。
　また、幹部職員がこれらの機会を通じて共有した情報や気づきなどについては、各部署における部内会議や課内会議、毎朝の朝礼等を通じて周知徹底を図るなど、全職員が一丸となって、チーム宇部市役所として組織力の向上に取り組んでいるところです。
　さらに職員提案制度においては、部長から係員にいたるまで、みずからの担当業務にとどまることなく、自分のこれまでの経験や情報収集等を通じて得た自由な発想やアイデアを、政策推進や業務改善に生かせる取り組みを実施しています。
　今後は、さらなる職員の意識改革と意欲を引き出すために、これまで組織目標の達成を主な目的として導入し、定着をしてきた人事評価制度に加えて、管理職への登用や職員の適性・資質に応じた能力開発なども織り込んだ人事管理システムの再構築に取り組んでいきます。
　第５点、環境施策の取り組みについてですが、本市では、第二次宇部市環境基本計画に「豊かな自然と住みよい環境をはぐくみ、持続可能な社会を目指すまち」を望ましい環境像として掲げ、地球環境、生活環境、自然環境、快適環境、環境教育・環境ビジネスの５つの基本目標を定めています。
　計画では、平成３３年度を目標年度として、省エネ・低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の形成や近年の社会情勢を踏まえた新たな環境問題にも対応しながら、基本目標に沿って施策を実施しています。
　具体的には、まず、地球環境については、公共交通の利用促進、エコアクション２１の普及、庁内における環境マネジメントシステムの運用、緑のカーテン事業、さらに、東日本大震災以降は、特に節電や再生可能エネルギーの導入などの地球温暖化対策を強化しています。
　平成２５年度は、新たに公共施設等への太陽光発電設備の設置に向けた屋根貸し制度の創設、ときわミュージアムへのペレットボイラーの設置に取り組むとともに、低炭素まちづくり計画の策定に取りかかります。
　次に、生活環境については、大気・水質汚染等の監視、企業との環境保全協定などの公害防止対策や、水切りや段ボールコンポストによる生ごみの減量、子供服や絵本のリユース、食用油のＢＤＦ燃料化、古着・古布のリサイクルなどの３Ｒの推進に取り組んでいます。
　平成２５年度は、新たに生ごみや草木のリサイクル実証事業、使用済み小型電子機器等のリサイクルに取り組みます。
　次に、自然環境については、水源涵養事業、鳥獣保護区の保全などのほか、ＣＯＰ１０における名古屋議定書などの国際的な流れに沿って、生物多様性地域連携保全活動計画の策定に取り組んだところです。
　平成２５年度は、この計画初年度の事業として、竹林の整備、耕作放棄地の解消対策などに取り組むほか、新たに市有林の間伐・燃料化に取り組みます。
　次に、快適環境については、花壇コンクールやＵＢＥビエンナーレの実施など、緑と花と彫刻のまちとして先人が興こした事業を引き継ぐとともに発展を図り、快適環境の創出等に取り組んでいます。
　平成２５年度は、第２５回ＵＢＥビエンナーレを核としたアートのまち宇部のブランド化や常盤公園のエコパーク化の推進などに取り組むほか、宇部市学びの森くすのきの開館を予定しています。
　最後に、環境教育・環境ビジネスについては、宇部志立市民大学環境学部における人材育成、３つの環境学習拠点の充実、こどもエコ教室の開催など、環境教育・環境学習の推進に取り組んでいます。
　また、エコフェアの開催などを通じて企業の環境技術や市民活動団体の活動をＰＲし、企業や団体が市民と交流する機会を創出して地域環境力の向上を図るとともに、宇部市イノベーション大賞やトップセールスにより環境企業の誘致に取り組んでいます。
　平成２５年度は、新たに子供たちを対象にしたスタディツアーの実施、環境地域通貨「エコハ」の創設、宇部産ペレットストーブの開発支援などに取り組みます。
　また、国内だけでなく、地球規模での環境保全を図るために、ＪＩＣＡなど関係機関と連携して開発途上国からの研修生を受け入れ、宇部方式の海外への普及に取り組んできました。
　宇部方式は、国連環境計画からグローバル５００賞を受賞するなど、環境問題を解決する手法として国際的評価も高く、徐々にではありますが海外で浸透し、地球環境の保全に貢献をしていると考えています。
　今後とも、共存同栄・協同一致の基本理念のもと、本市で培われた宇部方式の精神で市民と協働して望ましい環境像の実現と、第四次宇部市総合計画に掲げた「みんなで築く　活力と交流による元気都市」の実現に向けて、広い視野と新しい発想をもって、環境施策を総合的に実施していきます。
　御質問の２、施政方針について。
　第１点、福祉関係費の大幅増加の原因についてのお尋ねですが、近年、少子高齢化の進行、高齢独居世帯の増加等による家族形態の変容、長引く景気低迷など社会経済情勢が大きく変化する中で、社会保障や福祉施策のさらなる充実と安定化が求められている状況にあり、我が国の社会保障給付に係る費用は年々増加をしてきています。
　このような状況は本市においても同様であり、平成２５年度当初予算案に係る福祉関係経費は、平成２４年度と比較して、職員給与費を除き、一般会計約９億円と特別会計約８億円、合計で約１７億円の増加となっていますが、財源内訳としては、国費、県費等が約１３億円の増加で、市費が約４億円の増加となっています。
　この増加の主な原因としては、障害者福祉施策の自立支援や就労支援に係る経費の増加と、子育て支援を推進するための学童保育施設の建設及び福祉医療制度に係る経費の増加があります。また、介護保険事業及び国民健康保険事業については、給付費の伸び等に的確に対応するものです。
　なお、こうした保健医療・福祉分野においては、多様なサービスの確保やサービスの質の向上のために民間事業者が大きな役割を果たしています。このことは、住民福祉の向上とともに、医療福祉産業としての視点から、民間による参入・投資による施設整備や雇用機会の創出、これらによる市税収入の増加など、本市経済に多大な効果があるものと考えています。
　また、生活保護の不正受給の防止に努めるとともに、介護保険や国民健康保険など適正に運営し、引き続き福祉施策の充実を図っていきたいと考えています。
　第２点、市債発行での合併特例基金創設の目的についてですが、合併特例基金は、合併を推進する上で、地域振興や地域住民の連帯強化のためのソフト事業を計画的、安定的に実施するために設置できる基金です。
　本市では、市民と行政のパートナーシップの創造に向けたボランティア・ＮＰＯ活動支援や地域文化の継承と創造に向けた芸術・文化イベントなどのソフト事業を予定しています。
　なお、平成１８年１２月２５日付の総務省事務連絡によって、基金原資については、償還が終わった額の範囲内で取り崩し、ハード事業に活用することも可能となっています。
　次に、基金の積み立てが可能な期間については、合併年度及びこれに続く１０年度間と規定されており、平成１６年３月に策定した新市建設計画においても、計画期間内の平成２６年度までに合併特例債による基金の造成を見込んでいました。
　積立可能額は２３億７,９４０万円であり、基金造成のための合併特例債の充当率は９５％で、発行限度額は２２億６,０４０万円になります。
　合併特例基金は将来に向けたまちづくりにも寄与するものであり、合併特例債は元利償還金の７０％が普通交付税の基準財政需要額に算入される非常に有利な起債であることから、発行期限までの平成２５年度及び平成２６年度の２年間で可能限度額まで積み立てることとしたものです。
　第３点、産業力の向上対策についてですが、産業力の向上対策については、このたび策定した宇部市産業力強化・雇用対策アクションプランに基づき、各種施策を積極的に展開をし、本市の産業力強化を図ることとしています。
　まず、「うべまるごと元気」雇用拡大プロジェクトは、本市の地域資源やジビエ等の未利用地域資源を有効活用することで、６次産業化と新たなツーリズムを推進し、農林水産業・商工業・観光業における新たな事業の創出や地域ブランド力の向上を図ることにしています。
　また、現在実施している１,０００社訪問の中で、意見の多かった雇用のミスマッチ対策としては、ホームページやフェイスブック上に交流サイトを開設して、地元中小企業の情報を発信するとともに、中小企業面談会を開催するなど、地元就職及び雇用定着を促進する中小企業人材マッチング事業に取り組みます。
　次に、ものづくり専門展へのブース出展ですが、本市は企業誘致を促進するため、平成２３年度と平成２４年度の２カ年にわたり、東京ビッグサイトで開催された企業立地フェアに出展し、本市のすぐれた企業誘致施策や地域資源についてＰＲを行い、多くの企業と名刺交換や折衝を重ね、企業訪問などに取り組みました。
　このような攻めの取り組みの成果として、平成２４年の企業誘致件数は年間７社と過去最大となっています。
　平成２５年度は、２カ年の出展で得たノウハウを生かし、東京ビッグサイトで開催され、約２,０００社が集うアジア最大のものづくり専門展である機械要素技術展へ、新たに本市のＰＲブースを出展いたします。
　日本の製造業が海外展開を加速させる時代にあって、国内での企業誘致は大変厳しい状況にあり、今後、自治体間の企業誘致競争はさらに厳しさを増すと考えていますが、引き続き職員と一丸となって企業誘致活動を強力に推進いたします。
　次に、産業振興の重要な柱の１つと位置づけている観光交流の取り組みのうち、宇部市の魅力や宝を体験するプログラムであるうべふるさとツーリズムについては、これまで３年実施し、延べ４,１２０人の参加がありました。今後はグリーンツーリズム、エコツーリズムとあわせ、「うべまるごと元気」雇用拡大プロジェクトと連携をして、広域の集客を見込んだ滞在型のプログラムの開発など、新たな展開を図ります。
　次に、山口宇部空港と岩国錦帯橋空港との連携ですが、宇部、岩国、山口、萩の各市と商工会議所等が広域連携して、両空港を活用した新たな観光ルートの開発をする事業を平成２４年度に引き続いて実施をするとともに、山口宇部空港の１０便化とあわせて積極的に利用促進キャンペーンを行い、交流人口の増加を図ります。
　今後も、宇部市産業力強化・雇用対策アクションプランに掲げる諸施策を推進することによって、産業の裾野を広げ、産業力強化に積極的に取り組みます。
　第４点、中心市街地のにぎわい創出についてですが、本市では、これまで空き店舗対策事業や賑わい創出イベント及び商店街が抱える課題解決に向けた取り組みなどに対する支援を行い、中心市街地の商店街の活性化を図ってきました。
　平成２４年度の取り組み実績と評価については、空き店舗対策事業は、平成２３年度より６店舗多い９店舗の出店に対して支援を行い、空き店舗の減少が図れたと考えています。
　また、にぎわい創出支援では、銀天街周辺で開催されたサンタクロスロード２０１２、新天町の土曜夜市夏まつりや、みんなでつくる！まちなかアートフェスタなどを支援することで、約５万７,０００人の集客が図れました。
　また、商店街が抱える課題解決に向けた取り組み支援では、商店街自らが複数の商店街による連携や環境をテーマにした振興課題を設定され、うべマーケット、銀天にぎわい再生プロジェクトが実施されており、課題解決に向けた取り組みが進められているところです。
　チャレンジショップ事業については、現時点では実施に至っていませんが、引き続き商店街と連携を密にして取り組んでいきます。
　また、宇部中央銀天街協同組合では、商業施設とコミュニティー施設が一体となった建物の建設に向けて、国の地域商業再生事業を活用し、現在、ニーズ調査やマーケティング調査等を進められており、今後は、この調査結果を踏まえ、建物の建設が具体化される見通しです。
　さらに、平成２５年度の新たな取り組みとしては、中心市街地の新たなにぎわいづくりや継続的に地産品販売を行う拠点づくりのため、商店街の空き店舗を活用し、地元一次産品の加工品等の販売などを行う、まちなかまるごとアンテナショップを開設します。今後においても、宇部市商店街連合会を初め、各商店街や関係団体と連携して、中心市街地のにぎわい創出に取り組んでいきたいと考えています。
　第５点、耕作放棄地対策についてですが、耕作放棄地の減少、発生防止に向けては、新規就農者の育成や集落営農組織の法人化、企業の農業参入等により担い手を確保し、農地利用を促進することが重要となっています。
　そのため、本市では、担い手への農地の集積に対して、農用地借受奨励助成金を交付するとともに、農業参入企業等に対して、農業用機械の導入など初期投資への補助を行っています。
　また、集落による取り組みへの支援として、平成２４年度には、中山間地域等直接支払事業で２８６ヘクタール、農地・水保全管理支払交付金事業で５６５ヘクタールの農地の保全活動等に助成をしています。
　さらに、昨年度からは、市が独自に耕作放棄地解消対策事業補助金を創設し、市民が耕作放棄地を再生利用して、菜の花やヒマワリ、コスモス等の景観作物を作付した場合に補助を行っています。
　平成２５年度は、これらの取り組みに加えて、農家や農業法人等の担い手が耕作放棄地を借り入れて、麦、大豆などの農作物や梅、クリなどの果樹を栽培した場合に、再生作業や作物の導入等の経費に対して国の交付金を活用した助成を行います。
　また、市民自らが耕作放棄地を活用してふれあい農園を開設される場合に、開設に向けた関係機関への手続きを支援するなど、耕作放棄地再生の取り組みを促進していきます。
　第６点、地産地消外商の取り組みについてですが、本市では、攻めの農林水産業を展開する施策として、地域資源を活用した新たなブランドの創出と生産販売ルートの開拓による地域産業の活性化を目指し、地産地消外商を推進しています。
　具体的には、安心安全な農林水産物の生産振興に向けたこれまでの取り組みを継続するとともに、「うべまるごと元気」雇用拡大プロジェクトにおいて、新たなブランドとなり得る一次産品の発掘や、タケノコ、ナスを初めとして市内で生産されている農水産物やジビエを活用した加工品等の新商品、新料理メニューの開発に取り組みます。
　その中で、平成２５年度の取り組みとして、加工グループ等への新たな加工品の開発に対する支援や、ＪＡが運営するタケノコ加工施設の整備改修に対する補助、農家がレストランや民泊などの運営に取り組む場合の施設整備に対する補助などを行います。
　また、県外への新たな流通ルートとして、農産物直売所から東京都内の飲食店等へ宅配便を使った地元農産物の販売を始めるとともに、県のアンテナショップ「おいでませ山口館」と連携して、宇部産農林水産物のＰＲ活動を積極的に行っていきます。
　さらには、平成２４年９月に東京都築地場外市場に開設をしたアンテナショップ「Ｂｕｃｃｈ－ｉｎｅ」は、本市の魅力を首都圏で発信する場であるとともに、水産物を中心とした宇部市産品の外商の拠点であり、今後もここを活用して、大消費地である首都圏の飲食店への販路拡大に積極的に取り組みます。
　第７点、常盤公園の施策についてですが、市民の憩いの場であるとともに、本市の貴重な観光施設である常盤公園の活性化を図るため、平成２２年５月に常盤公園活性化基本計画を策定して、環境、芸術、スポーツ、福祉の融合した先進的なモデル公園化を目指しています。
　平成２５年度の主な施策として、市制施行９０周年記念事業である動物園ゾーンリニューアルについては、動物の生態に配慮した環境整備工事を本格化させるとともに、平成２６年度の一部先行オープンを目指して、荼やり体験や動物とのふれあいなどを通じ、子供たちが命の大切さや自然環境を学ぶことのできるプログラムを実施します。
　また、花壇コンクール１００回を記念して整備する花いっぱい運動記念ガーデンについては、「市民とともに計画し、市民とともに整備し、市民が楽しむ」をコンセプトに、現在、市民参加による花壇のデザインや花の植えつけを進めており、平成２５年３月３１日のフラワーフェスタに合わせて、一部先行オープンいたします。引き続き、平成２６年３月の全面オープンを目指して、管理運営や活用の仕組みづくりに取り組みます。
　さらに、新たな施設整備としましては、かねてから要望のあった子供たちの遊び場づくりや暑い時期の日陰対策について、噴水池の一部を改修して水遊びができるようにじゃぶじゃぶ池を整備します。
　次に、ソフト事業としては、既存イベントを充実させるとともに、新規イベントの企画も行い、切れ目のない四季折々の楽しいイベントを開催します。
　また、公園内の売店や喫茶については、民間事業者を公募し、利用しやすく魅力ある店舗となるよう見直しをしたところであり、お土産については、民間事業者との連携及び支援を進めながら、常盤公園にちなんだ食べ物やお土産の充実を図ります。
　さらに、広報紙、市ホームページ、フェイスブックなど、さまざまな広報媒体を活用して、効果的に情報発信をするとともに、旅行会社などにも積極的にＰＲを行って、観光客の誘致に取り組み、さらなる集客力のアップを目指します。
　環境への取り組みとしては、常盤公園活性化基本計画に基づき、常盤公園エコパーク化研究会を立ち上げ、官民共同でエコパーク化を推進してきたところです。
　このような中、平成２４年１０月に、ときわ公園次世代エネルギーパーク計画の認定を受けたことから、平成２５年には、風力発電、太陽光発電設備の整備、電気自動車の導入、ときわミュージアムへのペレットボイラーの設置などに積極的に取り組み、観光資源、教育拠点としての充実を図ります。
　第８点、土地開発公社の解散についてですが、地方公社や第三セクターの経営悪化は、バブル崩壊後、全国で深刻な問題となっていることから、国は、平成２１年度から平成２５年度までの間に限り、第三セクター等改革推進債を創設し、地方公社等の解散を含めた抜本的改革を支援しています。本市においても、宇部市土地開発公社について、第三セクター等改革推進債を活用し、公社の債務を整理していくことが将来的にも望ましいと判断し、平成２５年度末をもって解散をすることとしています。
　こうした考えのもと、平成２４年度は、第三セクター等改革推進債の借り入れ可能額や償還期間などについて、国、県と協議を行うとともに、公社の保有資産、解散による市財政に与える影響などの課題、具体的な解散スケジュール等をとりまとめた解散プランの策定を進めています。
　また、公社を解散させるためには、まず、公社の債務を一旦出資団体である本市が代位弁済することとなります。なお、公社の債務となる長期借入金は、平成２４年度末で約８７億５,０００万円の見込みとなっています。その後、市は、代位弁済に基づく求償権により、公社の保有地を代物弁済として受け、公社保有地の簿価と時価の乖離については市が債権放棄することとなり、公社は残余財産をゼロにし解散に至ります。今後、解散プランを議会にお示しした上で、予算措置を含め、公社解散の関連議案を提案することとしています。
　第９点、公共施設白書と市役所建てかえについてですが、公共施設については、特に昭和４０年代後半から５０年代後半にかけて、市民生活の利便性と市民満足度を高めるため、積極的に施設整備を進めてきたところですが、市役所本庁舎を初め、多くの公共施設は老朽化が進んでおり、将来にわたる維持管理に要する費用は、市財政にとって大きな負担となることが懸念されます。
　また、人口減少や少子高齢化、市民ニーズの多様化など、施設整備当時と比べて取り巻く環境が大きく変化をしてきていることから、今後、施設の統廃合や利用形態の変更など、施設のあり方を改めて検証していく必要があると考えています。
　そこで、公共施設の最適化を検証する基礎資料として、公共施設白書の策定を進めているところであり、その中では、耐震性、老朽度、維持管理費などの基礎的なデータを盛り込み、市議会を初め広く市民に公表して、公共施設の現状を知っていただいた上で、施設の位置、機能、必要性などを議論していきたいと考えています。
　また、市役所本庁舎については、老朽化や耐震性などに問題があることから、建てかえが必要であると十分認識していますが、他の公共施設のあり方を踏まえ、適正な機能や規模などを検討していかなければならないと考えています。
　検討に当たっては、市議会新市庁舎建設促進特別委員会の御意向を尊重しながら、市民委員会も設置して、建てかえについて幅広い御意見をいただくこととしています。
　御質問の３、都市環境の質的整備についてのお尋ねですが、市民の安全性・利便性の向上に重点を置き、平成２５年度においては平成２４年度３月補正予算に計上した国の経済対策分と合わせて、琴川橋の架けかえを行う岩鼻中野開作線や市街地から空港へのアクセス道路である鍋倉草江線、渋滞解消のための西宇部妻崎線の交差点改良などの道路整備を進めます。
　また、歩行者や自転車にやさしい歩道の段差解消や路肩・横断歩道のカラー舗装化などの整備、その他の公共インフラ整備を計画的に実施します。さらに、老朽化に対応した公共インフラや公共施設の維持管理については、宇部市橋梁長寿命化修繕計画や宇部市公営住宅長寿命化計画などに基づき、梅田川橋の修繕や西岐波市営住宅の建てかえ等を実施いたします。
　今後とも、災害に強い、安心安全で、利便性の高い都市環境を実現するため、特に重点的に整備を要する事業を取捨選択して計画的に進めます。
　また、既存の公共インフラや公共施設を長寿命化するため、経費の平準化を図り、修繕や改修等それぞれの計画に基づき実施いたします。
　さらに、平成２５年度から策定する低炭素まちづくり計画において、さまざまな市街地の整備改善事業を進めていく必要があると考えています。
　以上で、私の壇上での答弁を終わります。

◎教育長（白石千代君）　清志会代表の猶議員の御質問にお答えいたします。
　御質問の２、施政方針について。
　第１０点、小中学校の適正配置の取り組みと耐震化計画についてのお尋ねですが、本市では、平成２２年に小中学校の適正配置に向けた方針を定め、該当する校区に関係校区協議会を設置し、これまで４つの小中学校の適正配置について協議を行ってきました。
　見初小学校については、平成２２年から、関係校区のＰＴＡや自治会連合会、コミュニティ推進協議会等の代表者を委員とする協議会を設置し、２年間の協議により、神原小学校との統合に向けて準備委員会を設置して協議を行うとの結論になりました。
　現在、（仮称）見初・神原校区の新しい学校づくり準備委員会を設置して協議を行っていますが、委員からは、神原小学校の耐震化を早くしてほしい、まず安全な教育環境を確保すべきなど、神原小学校の耐震化を望む意見が多くあり、統合についての協議は進んでいません。
　学校施設の耐震化については、平成２５年度に、常盤小学校、西岐波中学校の校舎２棟と、平成２４年度補正予算による上宇部小学校など校舎７棟の計９棟の耐震補強工事を実施し、これにより、平成２５年度末には、耐震化率は７６.９％になる見込みです。
　教育委員会では、子供たちの安心安全な教育環境を確保するため、平成２７年度での学校施設の耐震化率１００％を目指して取り組んでいます。そのためにも見初小学校と神原小学校の統合については、平成２５年末までに結論を出す必要があると考えています。
　御質問の４、教育委員会のあり方についてのお尋ねですが、教育委員会は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき設置された機関で、教育行政の基本方針や重要施策等について審議し、決定する合議制の執行機関です。
　本市では、毎月１回の定例会議を開催し、学校教育や社会教育などに関する方針の決定、教職員人事や教科書採択などの教育施策の方向づけ、教育委員会規則等の制定、改廃や市議会の議決を要する重要事項の議案審議及び採決を主に行っています。
　会議において、教育委員は自らの経験や調査研究に基づいて意見を述べ、議題によっては１回の審議にとどまらず、複数回の審議を重ねて教育委員会の方針を決定します。
　また、小中学校を訪問し、公開研究会や学校行事などにも積極的に参加し、子供たちの学校生活や学力の状況を把握するとともに、自らが教育課題と考えるテーマについての調査研究会や自主的な意見交換会を実施しながら、本市の教育への認識を深めることで、政策の立案にもかかわっています。
　平成２４年度からは、開かれた教育委員会として、教育委員会の活動を市民に情報提供するため、教育委員会会議の会議録を市ホームページ上で公開しています。平成２５年度からは、新たに、より地域と密着し、広く地域住民の意向が施策に反映できるよう、中学校区単位で移動教育委員会を開催していきます。
　移動教育委員会では、教育にかかわるさまざまな問題をテーマとして、地域の参加者との意見交換を行い、教育委員会の活動内容を周知し、教育委員会と市民とが顔の見える関係をつくることで、教育に対する安心と信頼を一層高めます。
　教育委員会は、今後も、地域住民の意向を的確に把握するとともに、委員自らの見識を生かし、市民から信頼される教育行政を推進していきます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　ありがとうございました。質問項目が１７項目にわたっておりますので、順次、自席から再質問と要望をさせていただきたいと思います。
　まず、第１点の過去３年間の実績と今後の課題のところなのですが、答弁の中に「現在調査中の市民意識の調査など、調査結果を待たないと判断できないものもあるため」とあります。例えばどういうものがあるのか、また、どんな調査をやっているのかをお伺いいたします。

◎総合政策部長（西田隆君）　お答えします。
　実行計画上での目標としての指数のうちで、子供が育てやすいまちと感じる市民の割合や住みやすいと感じる学生の割合、市民の彫刻への愛着、関心度など、アンケートをとることによって数値を算出するもので、現時点で調査結果が出ていないものや、調査はまだ実施していないものがあります。
　また、この調査とは具体的には中期実行計画を作成するための基礎データとなる市民意識調査や学生アンケート、彫刻に関するアンケートなどです。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。では、調査結果を待って、またどういう評価がされるかお待ちしたいと思います。
　その次に、「産業の裾野を広げ、産業力の強化を図り、雇用の創出に」という部分なのですけれども、少し古い資料ですが、平成１４年の宇部市の概要というのがございまして、そこに宇部市の基幹産業というところを見ますと、化学、セメント、機械というふうに書いてあります。時代は変わるものだと驚いております。
　ところで、従来の地場産業との強化連携、特に産学官の連携が最近は目立たなくなったという印象を持っているのですが、産学官というより官民連携になったという印象を持っております。
　ところで、平成２５年度施政方針、その６ページの中段あたりには、「観光交流を産業振興の重要な柱と位置付け」というふうに書いてあるわけです。久保田市長の重点的な雇用創出分野というのは、従来の工業都市、言いかえれば、企業城下町と言われた宇部市の産業構造の改革、または工業都市から脱皮をしたい、そういう思いがあるからでしょうか、お伺いいたします。

◎市長（久保田后子君）　これまでの基幹産業を核として、産業力の強化、雇用対策を図りたいと、そのように考えております。したがって、本市の石炭産業から近代化学工業、御紹介されました化学、セメント、機械、平成１４年の本市の概要にありますように、この基幹産業、本市にとって非常に重要でございます。これを核として、さらなる発展を、産業力の強化をしていく必要があると考えます。
　それは、猶議員も御承知のように、壇上でも申し上げましたように、この近年の製造業の海外への移転、振興国の追い上げ、そういった状況を考えますと、産業界というものはもう常に変化をしております。そういう時代に合わせて、さらに産業の裾野を広げるということは重要だと思っておりますし、また中小企業の振興については、本議会でもたびたび御提案されておりますように、本市の就業人口の７割は中小企業に従事しておりますので、中小企業の振興は非常に重要で、おっしゃった産官学民もかなり定着、広がりつつあると考えておりますので、中小企業が単なる下請けから自立した経営体として発展できるように、そういう支援を中小企業振興基本条例、また計画に基づいてやっているということで、そういう中で、まだ未利用資源であるものが地域ブランドとして興せるのではないかということで、今まで観光交流という分野が必ずしも十分ではなかった。
　特に、陸海空の交通要所である本市、しかもまた、大変広い面積を持つ中山間地域というこれらの資源がやはり産業の裾野を広げる、非常にポテンシャルの高い分野だと、そのように考えておりますので、どうしても基幹産業のことを申してないから御懸念があるかもしれませんが、当然それをベースにして発展してきた本市ですので、それからさらに拡大をしたいと考えております。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　ありがとうございます。施政方針の観光産業を重要な柱と位置づけていることに、ちょっと私が過剰反応をしたかもしれませんけれども。
　それから、産業構造の改革、構造改革、これは時代とともにいろんな重要なものが変化していく、これは例えば赤いものから白いものに移っていくのでも、途中にピンクというものがありまして、徐々にまちは変化していくものだと、これは私も否定するものではありません。これからも基幹産業、これを大事にしていただいて、まちづくりを進めていただきたいとお願いをいたします。
　質問の１の（２）なのですが、財政状況の改善についての評価と今後の課題部分で、財政調整基金については、年度末には予算の不用額が戻って決算でふえています。年度当初に余裕の予算を組んで使わない財政調整基金とするのか、予算をぎりぎりにして財政調整基金で余裕を持たせるかは、市長の予算編成方針であると、私も理解しております。
　いずれにしても、単年度収支が黒字で継続されているということは、大変評価いたします。予算の段階で、財政調整基金は家計で言うところの貯金とよく言われますけれども、むしろ、本当の意味での予算の調整額になっていると思います。
　経常収支比率が１００％に近いとは言え、市債を大きく減らしておりますから、順調に財政健全化に向かっているのではないかと思っております。実質公債費比率にも注視していただいて、健全化の指標にしていただきたいと思います。
　さて、土地開発公社の解散など、公債費がふえるということで厳しさがあるということでしたが、将来負担比率も重要になってくると思います。この直近の数値と、それと宇部市全体の債務負担行為の額、これについてお伺いいたします。
　また、この御意見もお願いいたします。

◎総合政策部長（西田隆君）　お答えします。
　将来負担比率の直近の数字ということです。平成２１年度決算で１０８.６％、それから平成２２年度決算で９４.５％、平成２３年度決算で７３.１％となっております。
　それから債務負担行為額ですが、これは、こちらも平成２３年度末決算ベースで約６４億４,９００万円となっております。
　債務負担行為につきましては、これは公債費に準ずる経費については、将来負担比率の中で算定要素となっておりますので、その比率を注意しつつ、財政規律を保ってまいりたいと考えております。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　ありがとうございます。都市開発公社については、昨日、岡本議員から質問がありまして、きょうは私も質問をしておりますが、それについての再質問はございません。時間が限られておりますので、次にどんどん進まさせていただきたいと思います。
　質問の１の（３）ですが、壇上で申しました、平成２２年３月の代表質問のときの答弁で、「特に経済分野での活力の創出と交流人口の増加により、元気な宇部市になるように全力で取り組んでまいりたい」というふうに言われております。この部分なのですけれども、今回の御答弁では、地域資源を活用した地域ブランドを確立、交流人口の増加、企業立地の促進により、まちが元気になるまちづくりを進めるということですが、３年前にはあった「経済分野での活力の創出」という言葉がなくなっていまして、今回は、地域ブランドの確立と企業立地ということなのでしょうか。経済分野での活力の創出とはさまざまなものがあると思いますが、第三次総合計画の時期と比較すると、山口大学との連携、医療分野や地元大企業との連携など、これまでの産学官の連携事業というのが先ほど申しましたように目立たなくなっていると感じます。
　新規に宇部市に進出した企業には、おもてなしの政策がありますから元気に見えますけれども、もともとの地元企業や大学などから見ると、相手にされていないようで、元気がないというふうに私には見えます。
　市長就任以降のこの３年間、元気になったと思われますか。経済分野での活力の創出という基本は変わりないと思いますが、市長の言われる地域資源、これには古くからの地元企業や山口大学などは含まれていますかという質問をするつもりだったのですけれども、先ほど市長が、含んで一緒にやっていくというふうに言われたので、これについては質問をしません。要望として、地元企業、山口大学の医学部とも連携をこれからも強化していただきたいということを要望いたします。
　質問の１の（４）、職員のやる気についての評価と課題。幹部職員の重要性や幹部職員の連絡会議など、情報共有や部局間連携についてはよくわかりましたが、市長との関係はいかがですか。市長から指示があるのはもちろんでしょうが、幹部職員から意見が言いやすい環境になっているでしょうか。市長の評価をお伺いします。

◎総務管理部長（三輪信則君）　お答えいたします。
　行政課題が山積する中、課題解決に向けた行政運営は市長１人でできるものではなく、副市長及び幹部職員から係員にいたるまで、全職員が一体感を持って進んでいかなければならないというふうに考えております。
　そのためには、職員との信頼関係とともに、組織全体でミッションを共有することが大変重要であると認識をしております。
　先ほど市長が御答弁申し上げましたとおり、さまざまな機会を活用して、意見交換や情報共有に努めているところでございます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　私は市長に、幹部職員から意見などが言いやすい環境になっているか、市長自身がそんなに変わりないよという意見なのか、言いやすい環境になっていると感じられているかと市長にお伺いしたのですけれど、市長の答弁をお願いいたします。

◎市長（久保田后子君）　失礼いたしました。意見が言いやすい環境になっております。幹部職員のみならず、若手、中堅職員とは定期的なランチミーティングもやっておりまして、非常にいろいろな意見交換をしております。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。私は、市長と職員の関係がうまくいっているかを問うために、職員のやる気と表現をいたしまして、今回の質問をいたしました。市長にものを言わぬ幹部職員となっていないか、心配をする質問です。それを感じる根拠は、普段、我々議員が幹部職員に何度か意見いたしましても、議会答弁と同等の返事しか返ってこないことと、我々議員も市民の代表でありますのに、議員の意見を幹部職員から市長に伝え、検討したという反応が見当たらないと、そういうことです。言いにくいことを伝えていないのではないかと危惧いたしまして、質問をいたしました。
　そういうことから、議員と幹部職員の意見交換も実はめっきり減っております。それは、我々が市長に伝えてほしい意見を言うと、部長や次長が問題を抱え込んで、精神的負担をふやしているだけに見えるからです。
　こういう意見を言うと、また市長が厳しく幹部職員に言われて、精神的負担をふやされても困りますから、そうならないようによろしくお願いをいたします。

◎市長（久保田后子君）　猶議員、大変御心配をいただいて恐縮しております。そういうことにならないように、風通しのいい組織づくりを常に心がけておりますが、今の御提言でさらに努力をしたいと思っております。
　ちなみに、いろいろな議員さんから各部長がそれぞれ御意見を聞いたという話も私に入ってきておりますので、それからよく、直接私におっしゃる議員さんもいらっしゃいますので、どうぞ遠慮なく御意見を頂戴できれば幸いに存じます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。私も心配ではありますけれども、市長に厳しい意見を言ってくれる人は、私はむしろ味方だと思っております。これまで以上に幹部職員と本音で膝を交えて対話ができるような環境を目指していただくことが、広い意味で市民のためになりますので、これを要望させていただきます。
　次の質問に行きます。１の（５）ですが、環境施策への取り組みのところで、屋根貸し制度の創設についてなのですが、どういったものでしょうか。期限つきの賃貸で料金を設定するのか。貸す場合に、改築などのときに問題にならないような制度になるのか。建物の耐用期間と太陽光発電の耐用年数がずれたときに問題にならないだろうか。雨漏りの補修などのときには、補償の費用が発生するのではないかと心配いたします。鉄筋コンクリートの屋根でも、おおむね１５年から２０年で雨漏りとか補修が発生しますので、新築以外の屋根を貸すのには相当困難が予想されるのですが、これについてお伺いいたします。

◎市民環境部長（今川利夫君）　お答えをいたします。
　屋根貸し制度につきましては、公共施設の屋根や屋上など、市の未利用の施設を民間事業者等に貸し出すための制度でございますけれども、期間が長期になることが予想されるため、貸し出しに当たっての諸条件を十分考慮した上で、制度設計をする必要があると考えております。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　私がここでいろいろな難しいことが予想されると言っても、全部理解するのはなかなか難しいと思われますので、十分時間をかけて検討していただきたいと思います。
　次のペレットボイラーの設置とペレットストーブの開発支援、この両方についてなのですが、宇部市内に、ボイラーだけではなくて、このペレット自体を製造する企業というのはありますでしょうか。それで、間伐材を燃やすことが環境施策となる理由についてもお伺いいたします。

◎市民環境部長（今川利夫君）　お答えいたします。
　ペレット製造を行う事業所は、本市にはありません。山口県内では、山口県森林組合連合会が岩国市で木質ペレット燃料を製造しており、この原料となる木材を集積するために市内の企業が県内の中西部拠点として指定をされております。この関係を活用いたしまして、カーボンイコールという考え方でペレットを調達したいと考えています。
　つまり、本市が持ち込んだ間伐材は市内企業により資源化され、これに見合うペレットを燃料として調達することでございます。
　次に、間伐材を燃やすことが環境施策となる理由につきましては、カーボンニュートラル、炭素中立という考え方に基づくものでございます。これは、ペレットなど木質バイオマスを燃やして排出される二酸化炭素は、その植物が成長過程で光合成により吸収したものであり、大気中の二酸化炭素は増加せず、収支はゼロとなると見なされるものでございます。
　この考え方は、気候変動枠組条約の中で示され、京都議定書においても踏襲をされております。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　炭素循環については十分承知をしております。それで、間伐材を燃やすということで、燃やす以外に間伐材の利用はないのかという、そういった意味も含めての環境施策になるかと思ったわけですけれども、ペレット自体、宇部市内に製造業者がないときにペレットボイラーだけの支援をするということが、岩国からもし運ぶとしたら、この間伐材を運んだりペレットを運んだりすることが、また車で輸送するのだったらそっちのマイナスもあるかと、私はそういう心配もしたのですが、ペレットボイラーの支援だけでなくペレット自体を宇部市内で製造できるように、これも考えていってほしいというふうに思います。これは要望させていただきます。
　次の３番目の環境ビジネスについて、本市の環境ビジネスは環境企業の誘致ということだけを書いてあったような気もしたのですが、公害克服の宇部方式は、国際評価が高いのですが、ビジネスに結びついているかという質問です。
　地球環境の保全に貢献しているだけでは自己満足にとどまってはいないか。先日、宇部市と同じく公害克服で有名な四日市市の例がテレビで報道されておりましたが、積極的に公害克服産業の企業、商品を中国などに宣伝して、海外ビジネスモデルとなっておりました。宇部市もそういうのを見習うべきではないかと思うのですが、これはもうやっているかやっていないかという話になるけれども、今の意見をどう思われますか。

◎総合政策部長（西田隆君）　本市の技術、あるいは企業を海外に紹介して、これを環境ビジネスにつなげていくということは重要なことだと認識をしております。そのため、市長はプレゼンテーションをしたり、あるいは環境産業、企業の製品など、これを海外に向けてＰＲをやっております。また、国際環境協力事業などを通じまして、市内業者と開発途上国の情報交換の場を設けるなど、海外ビジネスの機会創出に努めておるところであります。いつか成約できるのではないかと期待しております。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　私は、四日市市の例のように、そういう積極的な産業、経済につなげるというか、これは経済イコール金もうけなのですけれども、そういったものにも発展するその環境ビジネス、そういったものも見習ってみてはどうかということを、提案いたしました。以上、これは要望をさせていただきます。
　宇部市の環境施策、これは再生エネルギー導入に期待が大きいと思います。太陽光発電などの増加に伴って、電気料金の値上げが生活を圧迫する可能性も高いと言われております。景気の足を引っ張る可能性もあるから、今後の政府の方針、これは買い取り料金の値下げも含まれるのですが、政府の方針が変わる可能性もあって不安定な環境施策ではないかと、ちょっと心配をしております。そういう意味では、昔からの緑化推進も重要ではないかと思っております。緑と花と彫刻のまちの原点を忘れず、バランスのとれた環境施策の継続を望みます。これは要望させていただきます。
　次に、福祉関係費の大幅増加の原因についてなのですが、医療福祉産業としての視点から、民間による参入・投資による、これらによる市税収入の増加など、本市経済に多大なというふうに御答弁いただいたのですが、本市経済に多大な効果があると考えておられるのであれば、支出の相手先がほとんど地元企業ということでしょうか。
　他市に本社がある場合は、市税収入の増加になりますでしょうか。逆に、宇部市民が他市の施設を利用した場合は、市の出費がふえて本市経済にはマイナスということになるのでしょうか、お伺いいたします。

◎健康福祉部長〔福祉事務所長〕（落合孝雄君）　お答えします。
　先ほど、市長が壇上で答弁しましたとおり、保健、医療、福祉分野におきましては、多様なサービス、いろんな種類のサービスの確保やサービスの質の向上のために民間事業者が大きな役割を果たしております。このことは住民の福祉の向上とともに、医療福祉産業としての視点から民間による参入、投資による施設整備や雇用機会の創出、これらによる市税収入の増加など、本市経済に多大な効果があるものと考えております。
　また、サービス事業者が市内であるか市外であるかによっては、その効果の種類も様々ではございますが、いずれにしても雇用の機会が創出されること、施設建設による建設業の受注機会の増加、また、固定資産税の増加、市民税の増加、遊休地の有効活用など、企業誘致と同格の経済効果がもたらされるものと考えているところでございます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　今、最初の分はほとんど私の質問に対する答弁になっていなかったと思うのですけど、他市の施設を利用した場合に、市の出費がふえて本市経済にはマイナスということになるかと。やはり市税収入と言ったら、来てもらうほうはプラスですけれども、もし、一歩境界線を渡ったよその市の施設だった場合はマイナスになるのかという、これはちょっと次の再質問に影響があるのですけど、そういうことかどうかをお聞きしたいと思います。

◎健康福祉部長〔福祉事務所長〕（落合孝雄君）　お答えします。
　介護保険というのは、住所地の市が介護保険の給付をするというふうになっております。このため、宇部市の方が市外の施設で給付を受けられた場合、この給付に関する雇用であるとか、そういう経済効果は宇部市以外の市にあって、そして介護保険の負担は宇部市がすることになると、いわゆるマイナスという効果もあるかと思います。
　逆に、市外の方が宇部市内の施設で給付を受けられた場合は、経済効果は宇部市にあって、負担は宇部市以外の市が負うというような形になると考えています。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　だから、社会福祉費の増加が経済効果という面だけで言われると、ちょっと私も半分ぐらい疑問があったのです。それで一応、市外だとマイナスということになると思うのですが、もしプラスになるという発想であったら、逆の発想で、東京都のある区で特別養護老人ホーム８０人収容を建設しようとした場合に、８０億円以上かかるという──もっと大きかったですね。先日、経済同友会の長谷川氏の講演会の中で聞いたわけなのですが、土地代が高いからですけれども、宇部市内にそういう社会福祉施設を建設して東京都の人を対象にして受け入れたら、きょうの答弁からすると医療福祉産業として経済効果が見込まれることになるのではないかと思ったのですが、その人がかけている保険のところで、住民票のあるところが負担をするのであれば、ただ支出だけがふえる結果となるという可能性もあるわけです。もし、そういった部分を解決できるならば、東京で建てると大変な経費がかかるそうなので、東京都の特別養護老人ホーム、または介護施設を宇部市で建ててもらって、そういった発想も可能ではないかと御理解いただけますでしょうか。これを要望するまでではないのでしょう、提言させていただきます。
　次に、生活保護の不正受給の防止に努めるとともにという部分なのですが、不正受給を摘発した実績はどのぐらいありますか。その場合に、どう処置されるのか。具体的に防止策は何をやっているのか、教えていただきたいと思います。

◎健康福祉部長〔福祉事務所長〕（落合孝雄君）　お答えします。
　生活保護における不正受給の件数と金額につきましては、平成２３年度では１７５件、５,８６７万７,０００円でございます。２４年度では、平成２５年１月末現在で１２９件、３,０６９万８,０００円となっております。これらの不正受給者に対しましては返還を命ずるとともに、収入を得た場合は適正に収入申告をするよう、文書により指導、指示を行っております。
　また、不正受給の防止対策といたしましては、生活保護申請時に制度の説明を行うとともに、生活保護開始時には生活保護のしおりを渡し、不正受給のないようによく説明し、指導を行っているところでございます。
　また、生活状況の把握や指導のため、定期的な訪問を行っております。この中で不正受給はないか、調査、指導を行うとともに、毎年実施いたします税務調査におきまして、世帯の状況の把握を行っているところでございます。
　今後は、これらの取り組みに加えまして、不正受給防止のしおりを作成いたしまして、これを訪問調査などの際に配付いたしまして、不正受給の防止の周知徹底を図りたいと考えているところでございます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　この部分は大変時間がかかるところでございますけれども、１項目だけしかありませんから、時間がないので行きます。
　福祉施策の充実を図っていきたいというふうに答弁をされている中で、私は福祉施策の充実がイコール福祉関係費の増大とならないようにお願いしたいと思います。
　限りある税の費用負担があるわけですから、本当に困っている人を助けられないことにならないために、不正受給防止には極力努力していただきたいと要望させていただきます。
　２の（２）です。市債発行での合併特例基金創設の目的に移ります。
　これは、ハード事業に活用することも可能となっていますということについてですが、例えば市役所建設資金に回すことも可能でしょうか。

◎総合政策部長（西田隆君）　結論から申しますと可能です。可能ではありますが、合併特例基金による取り崩しですが、これは前年度末までに償還が終わった範囲内で取り崩しが可能ということになりますから、仮に３年据え置きの償還２０年とした場合に、２５年起債分、これが取り崩されるのが平成３０年で５,０００万円というふうな金額になります。
　そこで、それ以降であれば市役所建設に回すことも可能だというふうに考えております。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　よくわかりました。市役所本体建設前に、いろいろ事業というものが、後でまたひとつ話しますが、その中の一つで、例えば、市役所の設計コンペを優秀な建築家にやってもらうとか、そういったことも案として私は持っているのですが、それは特別委員会があることですので、ここで余り申しません。
　今の時期に合併特例債を発行して、それを財源に積立金とすることは、合併特例債を事業として使い切れなかったということでしょうか。それと、合併特例債は５％の自主財源が必要ですが、旧楠町には合併特例債より有利な過疎債というものがありました。過疎債の発行可能額というのはまだあるのでしょうか。過疎債の発行期限というのもお尋ねいたします。

◎総合政策部長（西田隆君）　お答えします。
　合併特例債という同じ名前で、いわゆるハード事業を今までやってきました。このハード事業に使いました合併特例債と今回基金を造成するために使います合併特例債、名前は一緒なのですけど全く別物ですので、余った分を回したというふうなものではございません。
　それからもう一点、過疎債ですが、過疎債は限度額はございません。あくまで国の予算の枠内で発行可能となる債権であります。
　それから、過疎債の期限ですが、これは平成２７年度までとなっておりましたけれど、東日本大震災の発生に伴いまして５年間延長することが可能になりましたので、過疎計画、計画期間内に延長することを現在検討しているところであります。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。これは、合併特例債に合併という名前がついておりますので、いろいろ誤解があったらいけないので確認するために質問をさせていただきました。
　次は、産業力の向上対策なのですが、雇用のミスマッチ対策ですけれども、企業の情報発信だけでは不十分ではないかと思っております。企業人に対する産業カウンセリングが不足しているという実態があるのではないかと思います。これはいかがですか。

◎産業経済部長（森部実喜君）　お答えいたします。
　仕事に関する悩みや不安に対する相談体制といたしましては、ハローワーク宇部や宇部県民局において、専門家による相談業務が実施されております。また、本市におきましても保健センターにおいて相談窓口を設置し、保健師による個別相談を実施しております。さらに、宇部若者サポートステーションにおいては、国や県から委託を受けて、キャリアカウンセリングや心理カウンセリングが実施されているところでございます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　いろいろなところでカウンセリングが受けられるという状況になっていながら、若者が受けやすい環境になっているか、私はその辺を懸念するわけですけれども、十分その部分にも注意をしていただきたいと思います。
　そういう意味では、教育の場でも、社会経験のある人からのキャリア教育も大事ではないかと思っておりますが、現状は、教師以外への就業経験の少ない教師がそれを担っておられるのではないでしょうか。勉強と同様に重要でありますから、教育委員会でも議論をしてほしいと思います。実際に働く人の声を、学校で子供たちが聞く機会というのはありますでしょうか。

◎教育長（白石千代君）　お答えいたします。
　本市では、全ての小中学校において、事業所等に出向いての職場見学や職場体験というものを実施しております。また、特に中学校では、高名な理容師、調理師、看護師など、生徒が希望する仕事の専門家を招いて講演会を開催するなど、子供たちの夢の実現に向けてキャリア教育を計画的に実施しております。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　産業力の向上対策の部分の再質問なので、次のところで行きますけれども、質問の第１の再質問でも申しましたけれども、施政方針の「観光交流を産業振興の重要な柱と位置付け」という部分なのですけれども、宇部市は今のところ、京都などの観光地ではありませんから、観光交流は産業振興の１００あるうちの１つではないかと思っております。産業振興の重要な柱は企業力であると思います。
　宇部市において、観光交流がこれまでは弱かったから、これからはこの分野に力を入れたいというのなら理解はできます。
　施政方針の産業力向上対策のところに観光交流があるということは、将来は観光交流が産業力の柱になるということだと思いますが、他市からの観光交流人口の目標値というものを定めていただきたいと、これは要望いたします。
　それから、うべふるさとツーリズムの３年間の実績４,１２０人についてですが、市内の人が多かったのではないかと思います。これは産業力向上対策ですから、広域の集客に向けて頑張っていただきたい。山口宇部空港やリニューアルされる常盤公園も含めて、ぜひ旅行業者が継続的に商売できるような企画をしていただきたいと思います。これは要望です。
　次の中心市街地のにぎわい創出に入ります。
　空き店舗対策事業については、補助を受けた店が定着しているかどうかという実態はいかがでしょうか。同じ空き店舗が回転しているということはありませんか。空き店舗対策事業で出店した店が、長く営業したらメリットが出るようになっていますでしょうか、お伺いいたします。

◎産業経済部長（森部実喜君）　お答えいたします。
　この空き店舗対策事業でございますが、本制度を開始した平成１０年からこれまで１１８店舗の新規出店がありまして、現在、そのうちの５６店舗が営業を継続されております。
　それから、空き店舗は回転していないかということでございますが、そういう例もあるかと思いますが、やはり空き店舗が出れば次の物件を斡旋すると、次の方を斡旋するということは継続して実施をしております。
　それから、継続的に営業されていることに対しての優遇措置ということでございますが、これについては特にございません。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　やはり長く根づくということを大事にしていただきたいということと、借りるという以上に買ってここに進出しようという意気込みのある、本気で商売を──本気度が違う人に対してもメリットが出るような施策が何かあればいいと思います。
　それと、新天町では、自宅と店舗が一緒の店が多いのです。経営者が高齢化した場合、閉業しても住居とせざるを得ない。シャッター通りが加速して、イメージ低下になる心配があるので、その対策もお願いしたいと思います。これは要望です。
　もう一つ要望があります。商店街への支援はこれまでどおりという御答弁だと思うのですが、もっと新しい交流とにぎわいを求めております。商店街だけでは解決できません。アイデアに対する支援も必要だと思います。地元は、商店街を巻き込んだ宇部市のプランを求めております。これは要望です。
　次の耕作放棄地対策なのですが、ＰＲをどのようにするのか。昨年度と今年度、普及しなかった景観作物をどのように普及させるということなのでしょうか、お伺いいたします。

◎産業経済部長（森部実喜君）　お答えいたします。
　耕作放棄地対策につきましては、今、単市で事業を行っておりますが、この事業のＰＲにつきましては、これまでは市の広報でありますとかホームページ、地元紙への掲載、それからＪＡ主催の農事組合長集会や集落座談会等で説明を行ってまいりました。
　今後につきましては、これに加えまして、ＮＰＯ法人や市民による事業の取り組みも可能でありますことから、幅広いＰＲ活動として、市民活動センターやフェイスブックなどを活用した情報発信にも取り組んでまいりたいと思います。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。ＰＲをしっかりとやっていただいて、昨年度以上に景観がよくなることを期待しております。
　それと、中山間地や未整備の田においては、大型機械が入れず耕作を断念せざるを得ないというケースが多いと聞いております。こういった農地は、景観作物や果樹を植えることが最終手段となります。そこで確認ですけれども、単市事業として２年間進めてこられた景観作物への助成効果の状況と、来年度に向けての普及対策を教えていただきたいと思います。

◎産業経済部長（森部実喜君）　お答えいたします。
　この市の事業の実績につきましては、平成２３年度は実績なしでございますが、平成２４年度の見込みとして３件ほど、９３アールの景観作物の予定をしておるところでございます。

◆２０番（猶克実君）　来年度に向けての普及対策をお伺いしたいと思います。

◎産業経済部長（森部実喜君）　お答えいたします。
　答弁でも申し上げましたように、今まで景観作物を中心にやっておりましたが、今後は果樹等についても取り組みたいというふうに考えております。
　果樹等につきましては、今後、青果での出荷ということもございますが、６次産業化ということで加工も検討しながらどういう果樹を中心に推進していくかも含めて、今後、検討してまいりたいと考えております。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。トラクターの進入が困難なところについては、果樹園の転作が妙案だと思います。市として、先ほど言われましたブランド化と合わせて、６次産業化として市内全農家へジャムの生産とか、そういう働きかけをされたらいかがかと思います。これは要望とさせていただきます。
　次に、地産地消外商の取り組みのところに行きます。
　全国どこでもブランド戦略というものをやっていまして、宇部ブランドでそれに対抗するには新たなアイディアも必要だと思います。もっと頑張っていただきたいと思います。
　それと、地元には優秀なデザイナーがおられますので、パッケージや商品化のレベルアップにデザイナーを活用する支援はいかがでしょうか。宇部ブランドになる初期の段階では、お金がかかります。商標登録の支援も必要です。頑張っていただきたいと思います。これも要望です。
　次に、常盤公園の施策についてですが、集客力アップを目指すということですが、お金をかけて大リニューアルをするのに、目標値が低すぎるのではないかと思います。これは過去の目標値だと思うけれど約４２万人、そういった小さい数字ではなくて１００万人以上を目指して頑張っていただきたいと思います。その際、お客さんのごみがふえるだけではなくて、収益を考えていただきたいと、これも要望をさせていただきます。
　それから、お土産の充実を図りますということでしたが、これまでの観光地と言えば必需品はお土産です。そのお土産の充実が待ち望まれていました。その予算がたったの１５万円ということでは、私はちょっと本気度を疑ったのですけれども、旅行会社に積極的にＰＲするのなら、お土産をもっと真剣に考えてほしいと思います。客がふえれば、新しいお土産は次々に民間から発生いたします。常盤公園の場合、初期の段階の投資は行政に期待されております。いいデザイン、商品を生み出すために費用がかかってもやるべきだと思います。常盤公園の将来がかかっていると言っても過言ではございません。もっと頑張っていただきたいと思います。これも要望です。
　次に、土地開発公社の解散については、昨日、岡本議員の質問がありましたので、再質問はありません。
　その次の公共施設白書と市役所建てかえについてですが、公共施設白書ができ上がったらすぐに検討を開始していただきたいと思います。多機能を持つ市役所になれば、中心市街地活性化と都市機能と行政機能の効率が期待できます。場合によっては、隣接する税務署と協議をして、新しい市役所へ取り込む案も考えられます。
　先ほど、合併特例基金が１つずつ償還しないと使えないと言われましたけれども、それも一つ考えられる案だと思います。いずれにしても、耐震機能において安心できる方向に急いでもらいたいと思います。市民の安全がかかっております。議会に特別委員会ができておりますので、内容についてここでの発言は控えますけれども、特別委員会の設置が言いわけになって、予算措置などが遅れることがないように強く要望させていただきます。
　次の適正配置の取り組みと耐震化計画なのですが、過去には適正配置と言っておりました。今回の答弁では統合とはっきり言われました。統合には、お互いに相手があることでありまして、片方の希望だけでは決まりません。もちろん、教育委員会の意思だけでも決まりません。先日市長から、３年以内の耐震化率１００％と発表がありましたので、実は、耐震化もしくは新しい校舎になるのが遅くなるのでは困るという意見が地元では多くなりました。
　校舎の耐震化は、子供の安全の話です。これは何よりも優先されなければなりません。神原小学校の校舎は、古くて耐震強度がないことはわかっています。耐震化の話と通学区域の統合の話は切り離して、耐震化を即実行していただきたい。これまで待ち望んできたわけですから、神原だけが遅くなるようなことがないように強く要望いたします。
　それと、耐震化設計も含めて耐震化工事は建設業界の景気対策の意味もあると思います。しかし、市内の業者だけでこれは可能でしょうか。せっかくの公共工事ですが、宇部市のためを思うともったいない気がします。これは可能ですかと聞いて可能かどうか答えてもらうのも、私も逆の立場だったら難しいと思いますので、これはできるだけ市内の業者で景気対策をやっていただきたいということを要望させていただきます。
　基本は、危険なところから取りかかるということが大事だと思います。耐震化率１００％を目指して頑張っていただきたいと要望いたします。
　次の都市環境の質的整備なのですが、低炭素まちづくりを進めるには、交通渋滞の解消は重要だと思います。新町交差点の渋滞解消につながる湾岸道路の新町への延伸や常盤通りの真締川大橋の架けかえなども被害地の整備事業に含まれますか、お伺いいたします。

◎土木建築部長（内田英明君）　お答えいたします。
　平成２５年度から策定する低炭素まちづくり計画は、基本的な方針として都市機能の集約化と公共交通の利用促進、また、建築物の省エネ化やエネルギーの効率利用、さらに、緑の保全創出を柱に官民一体となった環境への負荷の少ないコンパクトなまちづくりなどの、都市の低炭素に関する施策を総合的に推進するための計画です。この計画に基づき、さまざまな市街地の整備改善事業を進めることとなります。
　なお、この計画を策定する中で、お尋ねの湾岸道路の新町への延伸や常盤通り、真締川大橋、これは新川橋と思いますけど、これの架けかえなどについても検討することになると考えております。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。もう一つ、港湾や道路など産業の活性化に資する事業を推進することを、最近、宇部市から国や県に要望するということがなされておりますでしょうか。

◎土木建築部長（内田英明君）　お答えいたします。
　国、県へは産業の活性化、防災、減災、交通の利便性、交通安全について要望を毎年しているところでございます。
　まず、港湾については、東見初地区港湾整備事業、また、国際バルク戦略港湾としての宇部港本港地区の航路、泊地浚渫事業の整備推進及び宇部港、丸尾港の海岸高潮対策事業の推進を国、県に要望しております。
　次に、道路については、国道２号の整備として、茶屋交差点改良事業や銭ケ原地区の歩道整備事業の推進を国に要望しております。
　また、合併支援道路の整備として、県道宇部美祢線と市道立熊沖田線の一体的な整備、県道琴芝際波線の整備推進を県に要望しております。
　また、そのほかに床波地区の高潮対策事業の推進や、厚東川や中川の河川改修事業の早期完成について、県に要望もしておるところでございます。
　以上です。

◆２０番（猶克実君）　わかりました。産業の活性化に資する市事業として重要なのは、物流の効率化のための港湾の大型化と道路整備だと考えられています。そのために、山口県は国に働きかけ、宇部港を国際バルク戦略港湾に指定されて、さらなる整備を計られているわけでございます。せっかくの港湾整備が無駄にならないように、国道１９０号の新町交差点の渋滞解消のため、湾岸道路の松浜公園までの延伸計画を早期に実現していただくよう県に要望していただきたいと、ここも要望いたします。
　それと、教育委員会のあり方について、最後に質問をいたします。
　地方分権時代における教育委員会制度のあり方について、二、三、提言させていただきます。意見を述べさせていただきます。
　本来、教育委員会制度の趣旨は、教育への不当な支配を排除し、公正な民意による教育行政の運営を行うことにあると思います。
　教育委員会は、教育行政の執行機関として、地域の教育課題に応じた基本的な教育の方針、計画を策定するとともに、教育長及び事務局の業務執行状況を監視、評価するという使命を負っていると思います。
　しかしながら、その実態は、教育委員が非常勤であることからも、事務局の追認機関と化し、実質的な意思決定を行っていないのではないかと、実質的な意思決定を行っているのは、教育長を初めとする教育委員会事務局ではないかと、そういう心配をしております。
　また、地域住民、保護者の意思を教育行政に反映するということには必ずしもなっていないと思います。
　さらに、本市においても教育現場では、いじめ、不登校、万引きなど、さまざまな課題が生じておりますが、それらの解決に向けての機動的かつ的確な対応がなされていないのではないかと危惧をしております。
　昨今、教育委員会の形骸化が叫ばれて久しいわけですけども、さきの大津の事件では、教育委員会の責任の所在の曖昧さが露呈されております。
　確かに、現在の教育行政における権限と責任の所在は複雑な仕組みとなっております。選挙で選ばれた首長、一般人である教育委員、行政執行の責任者である教育長と三者おのおのに権限が分散しているからではないでしょうか。
　しかし、そうであるからこそ、教育行政を滞らせないように権限と責任の所在が明確になる制度に変更していかなければならないと考えます。
　すなわち、地方分権の時代にふさわしく教育委員会の主体性を尊重しつつ、さらには、地域の実情に合わせた特色ある学校づくりが行われるような環境を整えていくべきであると考えております。
　そこで、以下２つの項目についてお尋ねいたします。
　１つは、学校と教育委員会の関係及び学校の自主性、自立性の確立。まとめてもう１つ、首長と教育委員会の関係、この２つをお尋ねいたします。

◎教育長（白石千代君）　教育委員会についていろいろ報道等もされておりまして、皆様も宇部市教育委員会もそうではなかろうかといろいろ御心配をされているのではないかと懸念しております。
　でも、現行の教育委員会制度の中で、宇部市の教育委員一同はみな宇部の子供のために頑張っておりますということを、まず申し上げます。
　では、学校と教育委員会との関係、そして学校の自主性、自立性の確保ということについてでございますが、教育委員会は子供の学びと育ちを保障する教育の推進を学校教育の重点目標に掲げ、本市の学校教育の方向性を示しております。
　学校は、この学校教育の重点目標を踏まえて、学校や地域の実態に応じ、独自の教育目標を設定し、特色ある教育活動を展開しております。
　教育委員会では、全国的な教育水準を確保するとともに、創意工夫を生かした学校づくりができるよう、指導、助言、支援を行っていきます。
　以上でございます。もう一点ありました、失礼いたしました。
　首長と教育委員会との関係はということでございますが、教育委員会は教育の中立性、継続性、安定性を確保するため、首長から一定の独立性を持ち、学校などの教育機関を管理する責任を負っています。首長は地方公共団体の行政を総合的に調整することから、教育行政についても、教育委員の任命、予算などの権限を持ち、連携して教育課題を解決する役割を持っています。
　社会情勢の変化からさまざまな教育課題が生じ、これまでのように教育委員会だけで対応できない課題に対して、本市では引き続き市長と教育委員会が連携し、課題解決への取り組みを展開していきます。
　以上でございます。

◆２０番（猶克実君）　わかりましたが、心配は尽きないわけですけれども、教育委員の方々が、すなわち教育委員の会議が、教育長も一緒ですけれども、人事権や予算権のある方向に向かざるを得ない状況で、教育の独立性を保つことが難しいのではないかと、私はそういうふうに懸念をするわけです。
　そのためには、人事や予算編成などの権限を都道府県教委から市町村教委へ、さらには各学校へと移譲していく必要があるかもしれません。これは意見なのですが、この辺もいろいろな考え方がありますけれども、教育委員の方々が現場に行かれたときに、現場のほうは教育委員の視察があるから構えて、問題がないように対応されるのではなくて、教育委員の視察があったときには、現場のほうでは仕事が大変だと──要するに、私たちが教育委員会のことを言えば、現場が大変になると、そういう声も耳にします。本当は、現場のほうでこういった問題があるということを教育委員の方々が自然な形で把握をされて、その問題を教育委員会の中で提起されて、または行政のほうに提案される。これが本当に教育委員会が役に立つ、教育委員の方々が本当の独立性を発揮して教育行政をよくしていくのではないかと、私はそういうふうに思っております。
　今の形で問題はなしとされるのではなくて、少しは私たちの提言も耳に入れていただいて、今後のことを考えていただきたいと要望をいたします。
　きょうはたくさんの要望を言いましたけれども、以上で私の質問を全て終わります。

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