猶克実
議会発言
 
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※私の発言は背景が緑色で表示されています。
2006/03/14


◆なお) 皆さん、おはようございます。清志会の猶でございます。通告に従い、入札や公募などについて質問いたします。
 宇部市では、毎年の施政方針にもありますとおり、市民や事業者と行政との協働及び市民参画によるまちづくりを目指しております。これから質問いたします入札や公募は、もちろん従来からあるものですが、実は、これらも市民参加によるものであり、行政が発注する側、民間が受注する側というだけでなく、これからの宇部市にとって財政的に市政を助けるためにも、どうやって協働できるようにするかが重要になってくると思われます。
 協働する市政を目指す観点から、入札と公募について質問をいたします。
 さて、協働とはお互いの立場や役割の違いを乗り越え、お互いが足りないものを補い合い、力と心を合わせて事に当たることを言うわけですが、そのためには、お互いに信頼関係がなくては成り立ちません。もともと決定権や権力を持つ行政と、市民や事業者は対等ではありません。利益を追求する事業者ならともかく、市民がボランティアで参加する場合の公募などの場合では、お互いが協働できるようにするには、行政には信頼を増すための努力が必要になってくるのではないでしょうか。
 一つの例として、先日、教育委員会が文化会館レストランを運営する事業者の公募をされました。また、別の例として、市民活動課でも、市民活動団体への助成金を交付するための公募をされております。それらについてお尋ねします。
 まず、公募の際、透明性を高めるために選択基準を募集時に公開してはどうか。そして、選択審査結果の詳細も公表してはどうかという質問であります。今回は終わったことですが、これからの公募に当たってのお考えをお伺いいたします。
 また、3番目に、公募の公平な審査のためにどのように努力されているのかについてお尋ねいたします。
 4番目は、電子入札制度に移行する予定についてお尋ねします。
 昨年の6月議会で、下井議員が電子入札について質問されていますが、経費の問題と受注業者の機が熟していないということで、時期が未定でありました。先進地である横須賀市では、平成12年度に落札率を10%下げたそうで、電子入札を導入する経費などは、導入効果で、マイナスどころかプラスに転じる可能性もあります。一連の手続をインターネットで行うため、その都度来庁する手間が省け、入札参加者の拡大により、競争性が向上し、落札価格の低下が期待できるだけでなく、入札に関する業者間の接触が最小限に制約されることから、談合などの不祥事が大幅に減少すると思われます。電子入札導入の時期が地元で熟しているかどうかでありますが、電子入札の導入形態を、現在にできるだけ近い条件で始めることもできるのではないでしょうか。公平性を高めるという観点からも、できない理由を述べるのではなく、電子入札をどうやったらできるのかという検討をされて、早い実施を目指してはいかがでしょうか。
 以上で、壇上からの質問を終わります。

   
◎市長(藤田忠夫君) 猶議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の第1、入札や公募などについて。第1点の公募の際、透明性を高めるために選択基準を公募時に公開してはどうかと、それから第2点の選択審査結果の詳細も公表してはどうか、第3点の公募の公平な審査のためにどのように努力しているかということにつきまして、関連がありますので、一括して答弁させていただきます。
 公募に関しましては、公募の内容、審査手続等、さまざまな事例があり、統一的な基準等を定めることは困難でありますが、お尋ねのありました市民活動支援基金事業助成金についてお答えいたします。
 この制度につきましては、行政だけでなく、市民、事業者等からも寄附による資金提供を受け、市民活動団体が行う公益性の高い事業を支援するため、今年度、新たに創設したものであり、助成を受けたい団体を公募し、選考の上、助成団体を決定しております。
 選考方法等については、募集案内や事業説明会で十分な説明を行った上、市民委員及び職員で組織する選考委員会において、公開プレゼンテーション審査及び書類審査により、事業の公益性、効率性、計画性等の観点から、公平に審査していただいた意見を参考に助成団体を決定しております。
 また、助成団体が実施された事業内容については、市のホームページ等により、広く公表したいと考えております。
 本市では、市政のさまざまな分野で市民との協働によるまちづくりを積極的に進めているところでありますが、平成16年9月に策定した市民活動推進基本方針にも掲げておりますように、公平性の確保と情報公開についても、留意しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、第4点の電子入札制度に移行する予定はということでありますが、電子入札制度の導入につきましては、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に規定する適正化指針によりますと、一層の透明性、競争性の向上、業務運営の効率化、入札参加者の負担の軽減化、省資源化等を図ることができるとされております。県においては、平成17年11月から一部の工事を対象に試行を開始し、平成20年度から本格導入が予定されておりますので、本市といたしましては、その試行の結果を踏まえて、県等との共同運用を視野に入れながら、平成21年度の制度の導入を目標に検討してまいりたいと考えております。
 以上で、私の壇上の答弁を終わります。
   
◎教育長(前田松敬君) 猶議員の御質問にお答えいたします。
 御質問の1、入札や公募などについて。第1点、公募の際、透明性を高めるために選択基準を募集時に公開してはどうか、第2点、選択審査結果の詳細も公表してはどうか、第3点、公募の公平な審査のためにどのように努力しているかについてでありますが、お尋ねの宇部市文化会館軽食堂の使用者選定にかかわる公募についてお答えいたします。
 今回の公募に際しましては、広報でお知らせした後、現地説明会を行うとともに提案書を提出していただきました。この提案書には、選考に必要な営業方針、メニュー、営業時間、改修の要否、年間収支予定の記載を求めております。この項目に基づき、応募者からプレゼンテーションを受け選考いたしましたが、審査の公平性を確保するため選定委員会を設け、各項目ごとに評価、採点を行ったものであります。
 また、結果の詳細につきましては、宇部市情報公開条例に基づいて公開することにしております。
 今後とも、公募に際しては、公平性、透明性を確保してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆なお) ありがとうございました。若干、再質問させていただきます。
 まず、先に入札制度のことなんですが、平成21年度の制度の導入を目標ということでしたが、県が平成17年度から試行を開始し、本格導入が3年後の平成20年ということです。ならば、宇部市の平成21年までは丸々3年あるわけですが、それまで何も準備しないというわけではないでしょうから、仮に平成21年より早まるということも可能性としてはあり得るんでしょうか。
 
◎財務部長(和田誠一郎君) 電子入札につきましては、できるだけ早い時期に導入したいと考えているところでございますが、それを市独自で行おうとした場合は、膨大な経費を必要とします。幸い、県が平成20年に本格導入を予定されていますので、市としましては、この県の運用状況を見極めた上で、その県のシステムにのっかるといいますか、システムを活用させていただく方法が市としては最も得策ではないかというふうに考えています。
 また、市内の入札参加業者の方々の電子入札に対する機運の醸成といいますか、こういったものにも取り組んでいく必要があると思いますので、市長が壇上で答弁申し上げましたように、導入時期としましては、平成21年になるものというふうに考えています。
 以上です。
 
◆なお) 入札にかかわるいろんな問題の解決に大いに役に立つと思われますので、電子入札制度の導入には、できない理由を考えるのではなくて、どうやったら電子入札制度がやれるのかという考えで、できることからできるだけ早く実現していただきたいということを要望させていただきます。
 次に、市政において、市民と協働する市政を目指すには、市民との信頼関係が重要になるというお話をしましたが、そのためにも透明性の確保をいかにするかということが大事であると思います。
 県では、公募の際に、審査基準などを開示して募集しております。私も今現在資料を持っております。もちろん、結果の開示にも、事前に出した審査基準に基づいて結果を報告しております。
 宇部市においては、今までやってなかったわけですが、同じようにできないもんでしょうか、お尋ねいたします。
 
◎総務部長(宗内敏和君) 市が実施いたします公募についてのお尋ねということでございますが、昨年、本市では指定管理者の候補者を募集した際におきましては、審査基準を明らかにした上で募集をしたところでございます。今後とも、公募に当たりましては、県や他市の事例も参考にしながら、公平性、透明性の確保に留意し、適切に手続を行ってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
 
◆なお) 今回は、教育委員会の文化振興課と市民生活部の市民活動課だけを取り上げましたが、本来ならすべての部に関連しますから、お聞きしたいところですが、きょうは時間の関係でやめておきます。
 市政が市民と協働する社会の構築には、これから公募などが非常に多くなってくると思います。そのときに、一番重要なのが市民との信頼関係です。言葉で言うのは簡単なんですが、現実には長く市政の側から見てみますと、なかなか市の敷居というものが高過ぎることに気がつきません。困ったときの神頼みのように、情報公開条例があると答えられますが、情報公開条例が信頼関係を補うすべてではありません。最初から信頼関係なくして協働はあり得ません。そのためにも、公募も入札も今まで以上に透明性を高めていただくことをお願いいたします。
 きっと、将来的に市の財政を助けるのは市民との協働であり、そのためには最も重要なことであると確信いたしております。
 以上で、私の質問を終わります。
 
 
 
 
 
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