◆なお）　清志会の猶克実です。通告に従い、一般質問をいたします。
　質問の第１は、人口増加対策についてであります。
　宇部市の９月末日現在の人口は、住民基本台帳と外国人登録によりますと、１７万３,８８９人となっております。近年、約１７万５,０００人前後で推移していたものが、この数年少しずつではありますが、減少傾向を見せております。このことに、私は大変な危機感を持って、これからの質問をさせていただきます。
　私は、地方自治体において、人口が増加するということは、地方交付税に影響を与えるだけではなく、景気対策にもなる重要な課題であると認識しております。もし仮に、毎年１,０００人の人口がふえれば、１,０００人の衣食住の需要が生まれ、景気対策にも結びつき、税収にも大きな貢献をすることは、だれの目にも明らかであります。
　もう何年も前から、少子・高齢化が進み、将来の高齢者福祉対策、それに伴う税収不足の危機が言われ続け、さまざまな対策も講じられてきました。それにもかかわらず、少子化の波は一向におさまる気配はありません。それどころか、既に、少子化のまま高齢化社会に突入した様子さえうかがえます。
　そこで、人口増加対策の中で、最初に若者対策についてお伺いします。
　人類は、次の世代が育ってこそ不滅であります。しかし、現在は子供が減少し、将来は少数の生産年齢人口で、多数の高齢者の福祉を支えなくてはいけない時代がやってまいります。私は、少子・高齢化対策で言えば、子供を将来の納税者と位置づけております。その将来の納税者が余りにも少ない現状は、危機的状況ではないでしょうか。
　数年前より、高齢者福祉やバリアフリーなどと、高齢者に対する福祉は大きく叫ばれております。私は、その福祉対策に反対するわけではありません。この将来の社会福祉を充実させるために、将来の納税者を育てることが重要であると思います。将来の納税者対策、すなわち、若者対策が余りにも軽視されているのではないかと危惧しております。子供を産み育てる世代が、この宇部市に希望を持ち、若者がにぎわうようなまちづくりをすることに、これまで以上に行政努力を傾注すべきではないでしょうか。
　そこで、若者に魅力のあるまちづくりとして、若者たちの出会いの場になり、将来の夢を語れる、いわゆるデートスポットになるような広場や公園などを整備すべきと考えますが、市長の御見解をお尋ねいたします。
　また、まちづくりにおいて、若者の感覚、若者の意見を聞くことは大事であります。将来の主役は、今の若者です。将来の納税者も含めた若い世代の意見が反映されていないまちづくりは、将来の展望に欠けていると言わざるを得ません。
　また、審議会などで若い世代を市政に積極的に参加させることは、若者に社会人としての自覚を育て、人材育成においても大変重要であると考えます。次世代を育てるという意味においても、重要な若者たちの意見を市政にどのように反映しているのか、お尋ねします。
　次に、政治離れをしていると言われている今の若い世代に、将来の希望はあるのかという質問です。
　どんな年寄りも皆、昔は若かったわけですが、若い世代は収入も少ないのが通例です。その若者たちは、不況の経済情勢に加えて、高齢者への手厚い行政保護化の再雇用の波に押され、新卒者の就職はもとより、若者の就職は困難を極めています。
　一方、住宅事情で言えば、市営住宅においては、高齢者の枠は保護されていますが、次世代を育てている収入の少ない若い家庭には、特別な対策はなされているのでしょうか。国の施策である年金も次世代になるほど、どんどん条件が悪化している現状では、将来に夢も信頼もないのかもしれませんが、未払い者が続出しているようであります。若者たちが政治をあきらめ、政治を無視しているとも言われていますが、それでいいのでしょうか。これらの雇用住宅年金に関して、若者対策はどうなっていますか、若者に将来の希望はあるのでしょうか、お尋ねいたします。
　私は、今の若者世代は生まれたときから物に恵まれ、豊かな世界の中で育ち、テレビゲームなどの個人的な世界で育ったとも言える個人主義旺盛の世代ではないかと認識しております。しかしながら、そういった世代に、私たちは将来を託さなければならないのも避けられない現実です。
　近年、若い世代の初婚年齢が遅くなり、生涯に産み育てる子供の数は減少しております。子供を産むか産まないかは、個人の人生観の問題であると認識しますが、人間社会として、出産や子育てを避けるような個人主義には、危機感を感じずにはいられません。そんな今の世の中に時代が変わったと悠長には言えません。若者の意識改革も重要なのではないでしょうか。市長の御見解をお尋ねいたします。
　人口増加対策の２番目に、少子化対策についてお尋ねします。
　社会が望む出産による人口の自然増に対する対策も重要であります。社会から見れば、子育てをしている若い世代には、将来の納税者を育ててもらっていると言えるのではないでしょうか。その子供がいる若い世代への子育て支援対策はどのようになっているのかをお尋ねいたします。
　３番目は、社会的人口流出の歯どめと人口増加対策であります。
　全国で人口の激減している地方自治体では、既に将来に向けて転入を促進する施策が行われているところもあるようであります。宇部市においては、人口の減少傾向が見られるという程度ですので、まだ、特別に社会的人口増の対策はなされていないと認識しております。しかしながら、現在の宇部市の人口は、外国人登録を除けば大台の１７万人を切る可能性も出てきている状況ですので、この社会的人口の異動に関しても、何らかの対策を講じる必要があると思いますが、市長の御見解をお尋ねします。
　質問の２番目は、楠町との合併後における市役所からの交通対策についてであります。
　現在、楠町との１市１町での合併協議が行われているところですが、文字どおり合併して一体となるには、距離間のない交通体系が必要ではないかと思います。新しい道路が必要かと考えますが、その点についてどのようなお考えなのかをお尋ねいたします。
　３番目に、小学校の特殊分野の授業についてお尋ねします。
　小学校の高学年くらいになると、図工や音楽などの授業において、できる子供の能力を見出し、その能力を伸ばしてやることが大切だと思います。教諭が得意分野でなかった場合、その先生に習った子供たちは不幸であります。そういう学科では能力に応じた指導をすることが大事だと考え、専門知識のある教諭が教えるのが理想だと思いますが、教育長の御見解をお尋ねいたします。
　最後に、学校区の統合についてお尋ねします。
　人口増加対策のところでも申しましたが、現在の宇部市では子供の数が減り、小中学校では、１学年１学級の学校がふえてまいりました。これにより、子供の教育の観点からだけではなく、財政面からも、小学校の統廃合が必要なのではないかと、さまざまな場所で議論もされているところです。
　国の施策でも、国から地方への「三位一体の改革」が進んだ場合、地方の行財政改革の視点から考えても、教育分野だけが例外ではありません。地域性を考慮し、子供の数に適した効率のいい教育環境を目指した改革を検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。これは、地方の財政改革とも一致することだと思います。
　以上の理由で、学校の統廃合の必要性があると思いますが、その場合の２点についてお尋ねします。
　１番目に、学校区の変更は、子供の教育の観点からだけではなく、自治会の区域の線引きの変更が生じるため、一般行政のレベルでの検討をする必要があるのではないでしょうか。
　２番目に、学校区の変更のための学識経験者を含めた検討委員会を設置してはどうかと思いますが、御意見をお伺いします。
　以上で、壇上での質問を終わります。