猶克実
議会発言
 
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2005/6/07

◆なお) 通告に従い、一般質問をいたします。
 質問の第1は、若者対策についてであります。
 近年の少子高齢化社会において、若者対策の重要性は既に御承知のとおりであります。先日、厚生労働省が発表した2004年度の人口動態統計では、出生数は過去最低になり、1人の女性が生涯に産む子供の数は前年と同じ1.29人で、平均結婚年齢も男性が29.6歳、女性が27.8歳と過去最高を更新したようであります。ますます少子化が進んでいるという危機的な状況にあります。
 少子化の原因として、これまで仕事と育児の両方が難しいという観点から、政府はその対策をエンゼルプランや新エンゼルプランなどを実施してきたわけですが、出生率低下に歯どめをかけることは今のところできていない状況であります。
 ところが、近年少子化の新しいメカニズムとして、フリーターの存在が大きくクローズアップされています。若者の雇用をめぐっては、失業率が高どまりする中、アルバイトやパートなどを転々とするフリーターが、昨年度全国でおよそ217万人と発表されていますが、大きな社会問題となってきました。その増加と出生率はおよそ反比例しています。
 6月2日の読売新聞によりますと、フリーターが結婚しづらい理由は経済力の低さにあると書かれておりました。若年の雇用問題を放置すれば、少子化は深刻になるとも言われております。こうした中で、子ども・子育て応援プランに基づき、次世代育成支援対策推進法もこの4月から施行されております。
 そのフリーターの存在の問題よりも、もっと深刻なのが若年無業者、すなわち、職にもつかず、学校機関にも所属もしていず、就労に向けた具体的な動きをしていないニートと呼ばれる若者の存在です。自立するために何もしていないということは、既に親かだれかの支援なしには生活できていないわけですから、将来の生活保護予備軍にもなるわけで、フリーターの増加が少子化の一因であると同様に、近年のニートの増大も大きな社会問題となっております。近年のニートの増加の問題は、若者の心の問題があるようです。ニートの問題解決には、メンタルヘルスと子供のときからのキャリア教育が重要なのではないでしょうか。
 そこで、1番目に、ニートの実態とその対策についてお伺いいたします。
 次に、若者対策として、人材育成基金についてお伺いいたします。
 人材育成基金は、若者だけを対象とした人材育成が目的ではありませんが、ここでは特に若者の人材育成を対象として、この基金の活用の仕方についてお伺いいたします。
 現在の人材育成基金の制度は、1回きりの何か特別な目的でしか活用できません。その最高額は1件につき50万円であり、決して少な過ぎる額ではありませんし、非常に役に立っていると思いますが、基金残高の約1億円に対し、全体の利用状況はどうなのでしょうか。活用する制度は、人材育成の要求状況に対応できているでしょうか。10代、20代の若者に日本や世界を代表する可能性がある逸材があらわれたとき、その人材を真にふるさと宇部市が育てるとしたら、定期的に支給される人材育成基金のような、より有効な活用があるのではないでしょうか。その人材が、あるいは世界的に有名な人材に育ったとき、我々宇部市民の誇りにもなるわけです。
 そこで、人材育成基金について、現状の認識と有効な活用方法についてお伺いいたします。
 次に、質問の第2、正直者がばかを見ないための世の中についてであります。
 正直者がばかを見ないために行政がいかに頑張っているかをお伺いいたします。昨今、NHKの受信料の不払いが問題になっております。NHKの受信料については、その使い道に問題が発覚し、不払いが続出したというわけであります。払わなくて済むものなら払わない方が得だと考える国民感情が、生じるのも無理はないように思います。しかし、払っている者からすれば、払っていない人のためにNHKを維持してあげてるようなもので、納得がいきません。
 宇部市に目を向けてみましょう。払うべき税金や使用料は払う者の義務であります。払わない人がいても、その制度が維持されているとしたら、それは払っている人に負担がしわ寄せされているのであり、払わない人は不払いなどという甘いものではなく、払っている人からもらったのと同じであります。とったというのと同等かもしれません。国税では、脱税には重税がかかる仕組みになっています。市ではどういう状況なのでしょうか。正直者がばかを見ない世の中にするために、市はどう頑張っておられますか。
 そこで、1番目に、市税、市営住宅使用料、国民健康保険料、学校給食費などの滞納について、滞納の状況とその対策についてお伺いいたします。
 また、滞納している者に対し、完納者と権利が同じであろうはずがないと考えます。特に支払い能力がありながら払う意思のない悪質な会社や個人に対し、権利の一部停止や氏名の公表という対応策を持つのも滞納を防ぐ手だてになるのではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。
 2番目に、市営住宅の入居資格と生活保護受給資格の権利取得後の変化についてどう対応されているのか、お伺いいたします。
 市民の中に市営住宅に入るにはどうしたらいいかと問い合わせてくる人もいます。また、生活保護も同様に、生活保護をもらうにはどうしたらいいかと質問される人がおられます。手続の問題を質問されたのではありません。資格のことを聞かれたわけです。市営住宅は、本来、低所得者の住宅環境を維持するために建てられたもので、安いから入居したいとか、現在、住宅を確保可能な人に配慮するものではありません。また、生活保護も同じです。どうしたらもらえるかではなく、もらわなければ生活がどうにも維持できない人のために、憲法で保障されているところの最低限の文化的で健康な生活を維持する権利を保障するためにある制度です。市営住宅の制度も生活の保護の制度も、発足当時より日本人の生活レベルは格段に向上しました。
 そういった中で、この制度が本来の目的どおりに運用されることはとても重要なことであると考えます。もし仮に、法律に基づき手続上の問題だけをクリアし、悪質に運用されていたなら、まともに頑張る人に対し、やる気をそぐものです。不況も長く続けば、市民感情には正直者がばかを見ているのではないかという懸念が多くあります。実際に、市営住宅に入居されている人に対し、その実態調査はどうなっているのでしょうか。生活保護をもらわれている人の生活実態は資格を得たときと変化はないか、ちゃんと実態調査はされているのでしょうか、お伺いいたします。
 また、生活保護の制度は、受給資格者の一生の面倒を見るためのものではありません。自立支援対策はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
 最後に、防犯パトロールの際の非常時の対応についてお伺いいたします。
 全国的に市民の自主防犯意識も高まりつつある中、ことし3月に市の公用車にも防犯パトロール中のステッカーが表示されました。公用で市職員が市内を移動する途中も防犯の目を光らせるという意味と、そういった車が市内を走るだけでも防犯の効果も期待できると思います。
 また、ある自治会では、子供の防犯パトロールなどの自主的な防犯活動も始まっているようです。それ自体は大変有意義で効果的であると思いますが、もし有事に遭遇した場合、市職員の対応はどうなっているのかをお伺いいたします。
 以上で、壇上からの質問を終わります。

   
◎市長(藤田忠夫君) 猶議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の第1、若者対策について、第1点の若年無業者(ニート)の実態とその対策でありますが、厚生労働省発行の2004年版労働経済白書では、若年無業者、いわゆるニートに該当する者は、2003年時点で52万人いるとされております。国においては、若年無業者に対する働く意欲の涵養・向上のため、若者自立塾創出推進事業が創設され、塾実施者の公募が始まったところであります。
 また、市といたしましても、キャリア形成及びメンタルヘルス問題の相談業務を行う国の若年労働者キャリア形成支援・労働相談事業に応募し、山口県で唯一宇部市勤労青少年会館が実施施設として決定したところであります。今後とも、若年無業者対策につきましては、関係機関と連携し、取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、第2点の人材育成基金でありますが、宇部市ふるさと人材育成基金につきましては、本市の産業、経済、教育、文化、福祉などの各分野において指導的な役割を果たす有能な人材を育成することを目的に設置したものであります。平成2年度からの15年間で68件の助成金を交付し、さまざまな分野の人材育成支援に有効に活用されているところであります。
 しかしながら、近年、社会経済情勢が大きく変化し、市民ニーズも多様化している中、この基金のより有効な活用方法について、今後、研究してまいりたいと考えております。
 次に、御質問の第2、正直者がばかを見ないための世の中について、第1点の市税、市営住宅使用料、国民健康保険料、学校給食費などの滞納で、まず、アの滞納状況とその対策はというお尋ねでありますが、まず、市税における滞納の状況につきましては、平成15年度の決算で申し上げますと、滞納者の生活困窮や所在の不明などにより約2億4,400万円の不納欠損額を生じた結果、滞納繰越額は約19億8,200万円となっております。
 次に、市営住宅使用料の不納欠損額は約280万円、滞納繰越額は約1億1,100万円、国民健康保険料の不納欠損額は約1億3,800万円、滞納繰越額は約15億2,600万円、学校給食費の不納欠損額は約20万円、滞納繰越額は約99万円となっております。
 また、滞納の対策としましては、文書や電話による督促・催告、家庭訪問による納付指導を継続的に行っておりますが、特に、資力がありながら納付をしない者に対しましては、市税については国税徴収法・地方税法の規定に基づき、不動産、債権などの差し押さえ、換価手続などの滞納処分を行っております。
 また、市営住宅使用料は、「市営住宅明け渡し等請求に関する要綱」に基づき、住宅の明け渡しを求めております。
 国民健康保険料は、通常の被保険者証にかえて、短期被保険者証や資格証明書の交付を行っております。
 現在の社会経済情勢から、非常に厳しい徴収環境にありますが、市税におきましては、組織の見直しや徴収指導員の活用などにより、その効果があらわれてきているところであり、今後とも、積極的な収納対策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、イの権利の一部停止や氏名の公表ということでありますが、現在、市税等の滞納により、行政サービスを停止するなどの措置は行っておりませんが、事前に滞納を防ぐ観点から、事業資金の融資や下水道排水設備整備資金の利子補給の申し込みにおいて、市税の滞納がないことを要件としております。
 また、国民健康保険料におきましては、国民健康保険法の規定に基づき、資格証明書の交付者には、保険給付としての現物給付は行わず、償還払いとしているところであります。
 なお、氏名の公表につきましては、個人情報保護の観点等から、現在のところ考えておりません。
 次に、第2点の市営住宅入居資格と生活保護受給資格の権利取得後の変化で、まず、アの実態調査の状況のお尋ねでありますが、市営住宅につきましては、入居後、毎年、収入申告をしていただく際に、世帯全員の所得証明書を提出していただき、収入と異動の把握に努めているところであります。
 また、長期不在者、住宅の転貸及び入居の権利の譲渡などに関する状況について、住宅管理人からの報告により、実態調査を行うことで不正防止に努めているところであります。今後とも、市営住宅の適正な管理に努めてまいりたいと考えております。
 生活保護につきましては、生活保護申請の際に、収入、資産、扶養義務者の状況等を申告してもらうとともに、金融機関、保険会社、扶養義務者等に申告内容の実態調査を行い、その結果に基づき、保護の要否を決定しております。また、生活保護開始後も、収入に関しての税務調査、就労の可否に関しての病状実態調査、扶養義務者調査、資産状況調査等の実態調査を行い、生活保護の適正実施に努めているところであります。
 次に、イの生活保護受給者への自立支援対策でありますが、本市におきましては、生活保護法施行事務運営基本方針の中で重点項目を定め、就労可能な者に対する就労指導の徹底や扶養義務者調査の徹底など、市独自の点検として取り組んでまいりました。平成17年度から厚生労働省が導入を進めている生活保護受給世帯の状況分析をした上で、個々の受給者の実態に合った支援を行う自立支援プログラムについても検討し、実施してまいりたいと考えております。
 次に、御質問の第3、防犯パトロールの際、非常時の対応はというお尋ねでありますが、近年、全国的に凶悪犯罪が多発する中、安心・安全なまちづくりに対する市民の気運も年々高まってきており、市内の各地域におきましても、子供の見守り隊などの自主的な防犯活動も広がっております。
 このような状況の中、防犯対策の取り組みとして、市の公用車に防犯広報用蛍光マグネットを張りつけ、市民の防犯意識の高揚を図るとともに、職員が常に防犯意識を持って職務を遂行する取り組みを今年3月から始めたところであります。
 非常時に遭遇した場合の対応については、職員一人一人の判断によりますが、適切な対応ができるよう防犯対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上で、壇上の答弁を終わります。
 
◆なお) 若干順序を変えて再質問させていただきたいと思います。
 1億2,000万人に対し、52万人という数字は、比率でいけば、単純計算いたしますと、人口18万人の宇部市だと780人にもなるわけです。市内の現在の生活保護受給世帯が約1,800世帯ですから、このニートの数が将来の脅威になると新聞にも書いてあったのが宇部市にも当てはまると思います。
 一番今問題なのは、このニートの数が毎年ふえているということだと思います。仕事の上の意欲も持たない、持てないニートの増加はフリーター以上に深刻な問題で、当の本人はもちろん、産業や経済の将来、ひいては社会の維持発展にとって及ぼす影響は小さくありません。社会が物質的に豊かになって、子供が自立しなくて食べていけるだけではなく、親が子供に、大人になっても豊かな生活まで保障しているのも問題だと思います。
 つまり、このニートの問題は、社会教育の場でどのように伝えられているのでしょうか。社会教育学級などでこの問題を取り上げられたようなことはありますでしょうか。
 
◎教育部長(利重和彦君) お答えいたします。
 社会教育の場で今までニートという立場から取り組んだことはございませんが、社会教育の観点から申し上げれば、家庭はすべての教育の出発点であり、生きる力の基礎的な資質や能力は家庭においてこそ培われると言われており、本市でも社会教育の取り組みにおいてさまざまな形で支援を行っております。
 以上でございます。
 
◆なお) ありがとうございました。
 憲法27条に、すべての国民は勤労の権利を有し、義務を負うとなっているわけですが、憲法に書いてあるからではなく、子供のときから、大人になったら仕事をするということを学校教育の場で教えておかなければならないではないかと考えますが、学校教育の場で将来ニートにならないための教育といったものはされておられるのでしょうか。
 
◎教育長(前田松敬君) お答えします。
 児童生徒の発達段階に応じまして、勤労観、職業観を育てることは重要であり、現在、各小中学校で教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等でよりよく生きるための教育に取り組んでいるとこでございます。
 特に本市におきましては、文部科学省のキャリア教育推進地域指定事業の指定を受けまして、大学、商工会議所、各事業所、保護者等の協力を得ながら、職場体験学習を中心としたキャリア教育を小中高各3校、合計9校において推進しているとこであります。今後とも、関係機関等と連携してキャリア教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 
◆なお) ありがとうございます。
 先日の宇部日報にも、藤山中学校が文部科学省のキャリア教育の指定を受けて、昨年度から社会見学などを通じてキャリア教育に取り組んでいると書いてあったんですが、本来、学校で教科書以外で学ばなければならない大変重要なことであると思いますので、ぜひ一部の特別なこととしてだけではなく、子供のときから働くことの重要性について教えておいていただきたいと思います。
 ニートの問題の解決に向けて、今後、どのような手だてや行動をとっていくのか、社会全体が問われている問題だと言えると思います。若年者が働くことの接点を広げ、働く意義や楽しさを感じられるようにすることの大切さも大事だと思います。
 しかし、これらを実行に移すということは言うほど簡単ではありません。これインターネットで見たんですが、ニートには4つの型があると書いてありましたので、ちょっと披露いたします。1番、ヤンキー型、反社会的で享楽的、今が楽しければいいというタイプ。2番目が引きこもり型、社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ。3番目が立ちすくみ型、就職を前に考え込んでしまい、行き詰ってしまうタイプ。4番目がつまずき型、一たんは就職したものの、早々にやめ、自信を喪失したタイプ。こういったことが、これは労働政策研究・研修機構副統括研究員という方が分析されておられます。
 そういったいろんな4つのタイプに分類されているものがニートなんですが、フリーターなどの話をしますと、若年失業者の裏には不況による企業の採用抑制や即戦力志向もあると思いますが、若者の就労意識の変化や社会訓練の不足も影響しているのではないでしょうか。若者がビジネスマナーやコミュニケーション能力を磨けば、採用の可能性が高まるとされて、国もこれまでに職業訓練能力や就労意欲の向上にねらいを絞った訓練やセミナーなどの対策を重点的に講じてきております。
 しかし、それらが効果を上げているとは現時点では言えないでしょう。2003年度のフリーターの数が217万人と、前年より8万人もふえているということが理由だと思います。世間には、もとフリーターと聞いて採用を見合わせる企業がまだ多いそうです。若者側の努力不足もあるでしょうが、周囲の意識改革も伴わなければ成果にはつながらないと思います。
 まして、ニートが抱えるのは働く意欲という内面の問題であって、個々に応じたきめ細かい対応は当然として、対策の中身にも雇用の問題の枠を超え、教育や産業、社会問題としての幅広い取り組みが求められると思います。社会全体で認識を変えていく必要があると思います。
 そこで、経済界、産業界の方でこのニートに対する認識の問題を広めていくといったことで、そういったことを商工会議所とか、そういう企業に対して、こういうニートの問題の考えるような機会というものはありましたでしょうか、お伺いいたします。
 
◎経済部長(山下憲章君) ニート対策につきましては、県においては、若者就職センター内にニート相談窓口を設置し、若者対策、雇用対策について取り組んでおります。
 本市におきましては、インターンシップコーディネーターの制度により、商工会議所などと連携し、企業、学生などのニーズを把握し、適切なインターンシップのマッチングのための相互の情報提供や調整を行っているとこでありますが、あわせて、ニート対策を含めた雇用の拡大などのお願いなどを、市内の企業に対し、周知啓発活動を行っているとこでございます。
 以上でございます。
 
◆なお) 国の事業を得て、宇部市勤労青少年会館で若年労働者のキャリアカウンセリングが行われる予定であると先ほどの答弁であったわけですが、ニートの人だけでなく、多くの若年労働者の精神的な支えとなれるように、勤労青少年会館を教育委員会の施設としてだけでなく、若年労働者にキャリア形成支援や労働相談業務として活用していただけるように、よく宣伝をしていただきたいということもあわせて要望させていただきます。
 次の人材育成基金ですが、いろんな人に私も聞いてみたんですが、結構この制度をよく知らない人が多く、この制度のあり方をよりよくしようという提案以前の問題で、もっと市民に活用を宣伝することから始めなければならないような気がしております。市の広報に毎年募集が載っているのは、私も気がついてはおるんですが、こういった制度が1件につき50万円ももらえるという余りにも話がうま過ぎて、申し込んでもなかなかハードルが高そうに思えてしまうのかもしれません。15年間で68件という数字が多いのか少ないのかわかりませんが、全体ではどのくらい応募があったんでしょうか。
 
◎市民生活部長(福山清二君) お答えいたします。
 過去からの経緯はまだ全部調べておりませんが、経験から言いますと、ほとんど落とすということはなくて、中身の審査をして、だから、申請の以前に営利だとかいう形で辞退されることあるようですけども、実際申請されたら、中身について審査をして、若干意見言うことがありますが、基本的に、そのまま基本的に通ってるということだそうでございます。
 以上でございます。
 
◆なお) 全国で、世界で通用しそうな逸材がもし宇部市にいるとしたら、そういった人から応募がないとまずいけないんですが、未成年者を育てるということになると、そういった人から、応募がない人からでも、実際は運送する親の交通費なども加わって結構お金がかかっているのではないかということが想像されます。
 例えばの例で言いますと、万倉小の小林愛実ちゃんですかね、愛実ちゃんは小学校低学年のときから、ピアノで全国で高校レベルの大会で優勝されております。海外公演なんかもこれからどんどん行かれるそうであります。先日、私も実際見て、聞く機会がありましたが、物すごいなと思いました。それから、小松屋沙織さん、先日演奏していただきましたが、現在14歳だそうです。エレクトーンで4歳のときに優勝して、小学校1年生で全国1位になっておられます。ほかにもまあたくさんおられるかもしれません。そういった小学校低学年から既に日本一だとか、将来どこまで成長されるのか想像がつきませんが、そういった子供たちへの人材育成支援の場合、これまでの宇部市の人材育成基金のあり方では合わなくなってるんじゃないかなという気がします。
 いまや世界的な名選手になった大リーグのイチロー選手などに当てはめてみますと、将来、そういった宇部市で育った逸材は日本から世界に羽ばたいて、今、宇部という場所でたまたま育っているけれども、宇部を通過してしまうだけかもしれません。しかしながら、宇部市民にとって、そういう一流の人が子供のときに宇部市で育ったと、履歴に載るだけで宇部市が誇りに思えると思います。行政からすれば、その心には宇部市が育てたという気持ちがあればこそだと思います。そういった逸材に対し、子供のときからの支援は大事だと思うので、ぜひそういった人材育成の支援のあり方も考えていただきたいと要望させていただきます。
 次に、ちょっと順番を変えまして、一番最後の防犯パトロールの際の非常時の対応についてなんですが、防犯ブザーを子供たちに持たせておられますが、そのことを一般市民にどう知らせておられるのでしょうか。非常時にどう対応を市民にお願いしているかということも大事だと思いますが、何かお願いはされておられるでしょうか。
 
◎教育長(前田松敬君) 地域の方々へのお願いでございますけれども、地域の方々には、各学校が学校だより、地域での会合等でお願いをしておりますけれども、なお一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 
◆なお) ブザーを持ってるから安心だということで片づけられないようによろしくお願いいたします。
 市の職員の防犯パトロールのことなんですが、防犯パトロールの最中に非常時に遭遇したら、個々に対応ということでお答えいただきましたが、そのとき公務というものをどうするのかとか、いろんなことが考えられると思うんです。それで、そういった対応をマニュアル化しておくようなことが必要であると私は思ったんですが、先ほどの答弁の中の適切な対応というのは、どういった対応のことを言われておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 
◎市民生活部長(福山清二君) お答えします。
 議員さんも言われましたように、このたびのパトロールの車への張りつけにつきましては、地域の方がたくさんいろんな形で子供の事件だとかを頑張っておられると、そういう中で公用車で回るわけですから、そのときに貼付して市民に宣伝するということも、啓発するということもありますが、同時に、市の職員が大きな、たくさんの目で見張っているということを意識的にやるということは非常にやはり大事じゃなかろうかということもあって張っておるわけです。
 ただ、そのときに、今、議員さんが言われましたように、じゃあ、どうするかということですが、基本的には警察等に連絡をするということ程度しか一応考えていませんが、やはり市の職員ですから、いろんなことを考えてくれると思いますけども、1人の場合もありますし、あるいは2人や3人乗っている場合もありまして、それは臨機応変に対応していくと。あくまでも市の職員が常日ごろから車を運転するときも、そういう形でその防犯対策も考えて仕事していこうじゃないかということでございます。
 以上でございます。
 
◆なお) この問題で個々にどうしろこうしろといういろんなことはなかなか難しいと思うんで、ただ、ステッカーをこの自分の車に張ってることすら忘れてしまうような、そういったことがないように、行き帰りのときに防犯の目を光らせているんだということを、自覚を忘れないようにして努めていただきたいということをお願いいたします。
 次に、パトロールの件はそれぐらいにいたしまして、2番目の正直者がばかを見ないための世の中についてお伺いいたします。
 平成15年度の市税の滞納状況についてはちょっとお伺いしましたが、過去ちょっと5年間の、平成14年度以前の分もちょっとお聞きしたいと思います。
 
◎財務部長(和田誠一郎君) 過去5年間の滞納状況でございますが、ちょっと100万円単位でお答えさせていただきます。平成11年度が滞納繰越額18億9,900万円、それから平成12年度、19億6,200万円、平成13年度、20億7,200万円、平成14年度、21億3,700万円、平成15年度、19億8,200万円となっております。
 なお、不納欠損の状況としましては、平成11年度が1億4,700万円、平成12年度が1億4,900万円、平成13年度が1億6,100万円、平成14年度が1億5,900万円、平成15年度が2億4,400万円、平成15年度は大型企業の倒産の清算等に伴い若干ちょっと増加しているという状況にございます。
 以上です。
 
◆なお) 約、毎年1億五、六千万円前後の、ということは、市税の約、これは1%、0.5%ですか、昨年度は1%と。そしたら、そういった金額が四、五年もたまれば、学校が1つ建つぐらいの金額になっておるわけです。そういった金額は小さいか少ないかというのはもうひとつすぐわかると思いますが、この滞納の対策としての督促とか勧告とか、そういうことをされておられるということなんですが、その状況というのは、効果というのはどういうふうになっておるか、現状をお伺いいたします。
 
◎財務部長(和田誠一郎君) 市税につきましては、平成15年度決算で申し上げますと、この平成15年度分の現年課税でございますが、現年課税分では、全体の88%に相当する201億5,000万円、これにつきましては、納期内に自主納付をいただいておるとこでございますが、残りの12%部分については、やはりその納期内に納付がされず、滞納対策の必要が生じてるところでございます。
 これにつきましては、まず督促・催告としまして15万7,000件の通知書を発送し、さらには、その後5,600件の電話催告、そしてさらに、3,700件の訪問納付指導等を行ったとこでございます。
 その結果、現年課税分につきましては、納期後の納付が約21億7,000万円というふうになっておりますので、収納対策としましては、例年かなりの成果を得ているんではないかというふうに考えております。
 
◆なお) ありがとうございます。
 およそ約1割、市税が220億ですから、約1割の繰り越し、滞納繰り越しがある中で、やっぱり1割近くが滞納対策が必要だということになっております。これはやっぱりかなり大きな数字で、毎年一生懸命頑張ってもらわないと、ちゃんと納めている人が、みんなが納めているという気持ちにならないと、払ってる者も納得しませんので、そこんところをよろしく頑張って、滞納対策はしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 市営住宅の使用料に関して言いますと、この督促とか勧告、これは後で聞きましょう。この勧告などの効果というのはどうなっておりますでしょうか。
 
◎土木建築部長(岩本哲男君) お答えいたします。
 市営住宅使用料に関するものにつきまして、平成15年度決算で申し上げますと、納期内に自主納付されておられる方が、全体の81%に相当する4億9,600万円でございます。残りの19%部分につきましては、滞納対策の必要が生じたとこでございます。
 したがいまして、年間で8,700件の文書による督促・催告、2,400件の電話催告、さらに、5,700件の訪問納付指導を行った結果、約8,070万円が納付され、一定の成果が得られたものと考えております。
 以上でございます。
 
◆なお) 国民健康保険料の件の方はどんなですか。
 
◎市民生活部長(福山清二君) お答えします。
 平成15年度決算で申し上げますと、全体の84%に相当する41億5,000万円が納期内に自主納付されていますけども、残り16%につきましては、滞納対策が生じております。そのため、8万8,000件の文書による督促・催告や100日に及ぶ電話催告、あるいは48日に及ぶ休日・夜間の相談窓口の開設や訪問活動、あるいはその他、13人の嘱託徴収員による日常的な訪問活動とかやってきました。その結果、現年度分については、4億1,500万円が納付されております。また別に、もちろん過年度分ですけども、8,100万円ということで、合わせて約4億9,600万円ぐらいばかりが入っております。かなりの成果はあったものと考えております。
 以上でございます。
 
◆なお) いろんな催促したりするのもなかなか大変だと思うんですが、私も1つの方法として、権利の一部停止とか、氏名の公表とかいうことをここで質問させていただいたんですが、実は、よその市で滞納者公表条例を可決ということが、滞納条例とかいうよそでやった例がありまして、こういったこともできるのかなということでお伺いしたわけです。この中で、これらの条例については有識者でつくる滞納審査会と個人情報保護審査会の意見に基づきと、そういったところで十分検討された結果、こういった条例ができるという判断されての、個人情報保護法には抵触しないと判断したというふうに書かれていたわけですが、宇部市で、先ほどの御答弁では、そういう個人情報保護条例に関してということで考えてないというふうに言われたんですが、宇部市でそういったことを検討されたようなことはあるんでしょうか。
 
◎財務部長(和田誠一郎君) 資力があるにもかかわらず納付をしない方々に対しましては、市長が壇上で御答弁いたしましたように、法に基づき差し押さえなどの滞納処分を積極的に行ってきておりまして、その成果もわずかですがあらわれつつあるとこでございます。
 このために、市税の納付に誠意を示していただけない納税者の氏名の公表につきましては、今まで特に検討したことはございませんが、個人情報あるいはその守秘義務と深く関連しますので、その際には慎重な対応が必要と考えます。貴重な御提言をいただきましたが、徴収業務の担当部署といたしましては、現段階では、その前に滞納処分にかかわる技術力あるいは交渉能力、そういった職員一人一人の能力の向上と納税課としての組織の強化に努めて、まずは納税の公平性を図っていけるように努めてまいりたいというふうに考えております。
 
◆なお) この4月から個人情報保護法が施行されておりますが、個人情報保護法ということの法律の中で、悪意の、公共の福祉に反することに関してそれが運用されるということはちょっと私もちょっと納得がいかなかったわけで、こういった点からも、氏名を公表しろということをずばり言ってるわけじゃなくて、そういった手段を持つと、行政が何らかのそういう対応策を持ってるぞという中で徴収、市税を滞納に、悪質なですね、ただ払えない人じゃなくて、私がさっきから言ってるのは、払える能力がありながら、悪質な、払わない悪質な方だけを対象に言っておりますので、その辺を誤解のないように、この辺も検討していただけるようにお願いいたします。
 2番目の市営住宅の入居資格と生活保護の受給資格の今後の権利取得後の変化についての再質なんですが、入居後の市営住宅の実態調査を行った結果というのはどうだったんでしょうか。
 
◎土木建築部長(岩本哲男君) お答えいたします。
 平成16年度末までに住宅管理人からの報告を含め、長期不在者35件、不正入居者6件となっております。全体で41件となっております。これらの入居者に対して住宅の明け渡し勧告を行っておりますが、このうち11件につきましては自主的に退去され、これに応じない12件に対しましては、法的措置により住宅の明け渡しを現在求めております。引き続き法的措置を含めて住宅の明け渡しを求めていきたいと考えております。
 以上でございます。
 
◆なお) しっかりと、払える人からはしっかりと取っていただきたいと、これからも努力をよろしくお願いいたします。
 受給開始後の生活保護受給者の実態調査の結果というものはどうだったのか、お伺いいたします。
 
◎健康福祉部長〔福祉事務所長〕(久保章君) お答えいたします。
 生活保護開始後の各種調査や訪問指導等についてどのようにやってるかという御質問だろうと思いますが、生活保護開始後は、その世帯の状況を勘案して訪問計画を策定し、計画的に訪問しております。その中で、世帯の抱える諸問題等について指導、援助を行っているところであります。
 また、病状調査につきましては、レセプトの点検あるいは主治医からの意見聴取、それとともに、市で委嘱しております嘱託医からの意見聴取も行いながら病状の確認を行っているところでございます。
 また、就労収入に関しても、収入申告書の提出の励行を求めながら、全世帯の課税状況の調査を行って、収入の把握に努めているところでございます。
 以上でございます。
 
◆なお) まず、先ほども言いましたように、私は、弱者という方、生活で困ってる方を切り捨てるとか、そういったことを言いたくて私は今質問してるわけではありません。その中で、やっぱり苦しい等、本当に苦しい人を助けるためには、やっぱり予算とかやっぱり財力、市政もお金が要ります、かかります。そういった意味で、やっぱり苦しいふりをしている人がいるんじゃないかと、市民の人がそういう疑いの目で思っているからには、やっぱり先ほどのNHKの受信料と一緒に、払わなくて済むんだったら払わない方がいい、得だという考えられる世の中だと、大変正直者がばかを見る世の中というふうな不幸な結果になってしまいますので、そういったことがないようにしっかりとやって、市政がやっていただいているということを確認したくて質問させていただいております。
 例えば、親が子供に資産をほとんど譲って、子供が親の面倒を見なかったら、生活保護をもらえるわけです。そして、その子供はニートになって、親の資産を食いつぶしてしまうということも考えられるわけです。働く喜びを知らず、将来は生活保護をもらう予備軍になってしまうと。そういったことが、実際、普通の人が聞いたら、こんなばかばかしくなるようなことが実際起こり得る今の制度だと、今の世の中、制度が悪いんじゃなくて、そういう世の中の人たちの、こういったことがあり得る世の中というふうなことで、私は正直者がばかを見てるというふうに書いたんじゃなくて、正直者がばかを見ない世の中ということで言わせていただいております。
 これからまた藤田市長も次のもう4年やっていただきたいと、引き続き頑張っていただいて、正直者がばかを見ない世の中のために一生懸命やっていただきたいとお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 
 
 
 
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